第45回 「サービスサイエンスフォーラムで感じたこと」
去る2月3日に、情報処理学会のイベント、ソフトウエアジャパンの「サービスサイエンスフォーラム」が開催されました。
http://www.ipsj.or.jp/event/sj/sj2015/IT-F_service.html
ここ数年、サービスサイエンスの師匠ともいえるワク・コンサルの諏訪さんのお招きで登壇しているのですが、今年でなんとサービスサイエンスフォーラムは10周年を迎えたのこと。
(諏訪さんと登壇者のみなさん、パパクワッチ)
”継続は力なり”と言いますが、例年見る顔ぶれも多く、今年も楽しいパネルディスカッションとなりました。
(サービスサイエンスフォーラムの様子)
今年は、サービスの価値について「サービスの成果の大きさ」「サービスプロセスの良さ」「顧客の個別的な事前期待への対応度」「サービス品質の良さ」の4つの要素について議論をすることになっていましたが、私からの問題提起は、「共創型サービスの提供のためにベンダーがすべきことは何か?」でした。
これは、最近のICT業界の動向を反映した問題提起でした。
従来、情報システム部門からのシステム要件をもとに、言われた通りの仕様で言われた納期通りに、言われたコストの範囲で開発する。
いわば受託型開発がシステム開発の王道でした。
しかし最近では、ICTの活用は単に情報システム部門だけでなく、経営部門や事業部門での活用が進んでいます。
建設機械のコマツのコムトラックス等は、典型的な事業部門でのICT活用例だと思います。
そして最近では、お客様のお客様ともいえる”生活者”のICTの活用を意識する必要があります。
経営者や事業部門、生活者でのICT活用を考える時に留意しなければいけないこととは、どのような観点でしょうか?
従来の情報システム部門では、システムベンダーに対してシステム開発の要件を提示してくれましたが、現場部門や生活者にそのようなことを期待することは極めてナンセンスです。
要件を定義するスキルの問題もありますが、そもそも何をしたいのか決まっていないケースもあります。
このような場合に、どのようなスキルや手法が必要となるかを考えることがベンダーにとって重要なテーマとなります。
ハッカソンやアイデアソンがそのために重要な手法となることは間違いありませんが、サービスサイエンスの視点を盛り込むことがとても重要ではないかと考えています。
つまり、サービス品質やサービスプロセスの考え方を取り入れることで、このような新しい手法を評価することにつながると感じています。
毎年、サービスサイエンスフォーラムでは新しい気づきを頂いていますが、新たな研究テーマが見つかり、今後の展開が楽しみになってきました。
(つづく)
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