第53回 「共創型サービスモデルを考える ~お客様による営業・サポート~」

毎年、晩夏から初秋にかけて楽しみにしているのが、オオクワッチ東のメッカ、山梨県勝沼ぶどう郷でのぶどう狩り。

このところ10年以上毎年通っているお気に入りのぶどう園が”ふるやファーム”です。今年は、9月初旬にサービスサイエンスの八ヶ岳合宿の機会に訪問してきました!

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昔々、こどもたちを抱きかかえながらぶどうの房に手を伸ばしていた頃を思い出します。

このぶどう園の素晴らしいところはちょっとログハウス風で小洒落ているところ。もちろんお味は抜群で、さまざな種類のぶどうを楽しめます。

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さて、「共創型サービスモデル」について、前回は、共創のための”場(ba)”について考察してみました。

“場(ba)”には、リアルの場に加えて、ネット上のバーチャルな場も考えられますが、そのネット上の場を上手く利用してお客様に営業活動やサポートをさせているユニークなサービスを紹介したいと思います。

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※クリックするとPDFファイルをご覧いただけます。

英MVNOのgiffgaffは、営業活動や顧客サポートにソーシャルメディアを活用し、安価なサービスの提供で競合の通信会社から注目されています。

他社と比較して大変安価なサービスを実現できる理由は、ソーシャルメディアを使った顧客同士の支援の仕組みによって、同社の顧客サポートやマーケティング、サービス企画や広告などを支援していることにあります。

このため、同社は販売網もコールセンターも持たず、十数人のスタッフで運営されていると言われています。

通信事業では、新規顧客の獲得や顧客サポートに高額な営業費用がかかるのは通説ですが、同社ではその費用を大幅に軽減し、費用の一部を同社に貢献したユーザーに還元するビジネスモデルを構築しています。

■お客様とサービスを共創
スターバックスの「My Starbucks Idea」と同様のアイデアコミュニティを設け、giffgaffのサービスに対する改善アイディアを同社の顧客から広く募集しています。

■利用者同士の顧客サポート
顧客サポートもコミュニティサイトを介して行われており、基本的には同社の顧客間で、FAQや利用のためのヒント等がやり取りされるそうです。

■ソーシャルメディアを活用したマーケティング
顧客がSIMカードの購入を知り合いに勧めたり、知り合いにSIMカードを贈るとポイントが加算され、ポイントに応じてペイパックを受けられる仕組みを採用しています。

■顧客へのペイバック
同社に貢献した顧客に対し、その内容に応じてポイントが加算される。同社のコミュニティサイトが活性化しているのも、このようなインセンティブの
仕組みがあることも要因と考えられます。

さて、SMACという言葉をご存知でしょうか?
これは、デジタルビジネスやサービスを象徴するキーワードとして、ソーシャル(Social)、モバイル(Mobile)、ビッグデータを呼び換えたアナリシス(Analysis)、クラウド(Cloud)の頭文字を取ったものです。

今後、giffgaffのような顧客やデジタルテクノロジーを上手く活用したサービスを提供するデジタル企業があたりまえの世の中になるかもしれません。

(つづく)

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