Al Green 『Let’s Stay Together』(Green/Mitchell/Jackson) 72Hi

ひとりでに身体が動きだすような、アッパーにファンキーなリズムはダンスフロアの人々を踊る快楽に誘います。
 
しかし、リズムとは、ダンサブルな類いのものだけではありません。黒人音楽の奥深さは、実は、ダウナーなリズムにこそあるのかもしれません。
  
70年代中期に濃厚な成熟を達成したのが、サザンソウルの雄、ハイレーベルであり、その力強いリーダーがアルグリーンでした。
 
重心が低く、ずっしりタメを効かせたドラミングに太いベースラインが絡み、トロトロに煮込んだような濃厚なリズムセクション。その間隙に、獣的な本能を滲ませるようなグリーンのヴォーカルが絡みます。
 
内へ内へ内攻し、幾重にも複雑に内部で溶解したリズム。これは深夜に一人でじっくり聴きこむべき、ノットダンサブルなファンクネスです。