第50回 「共創型サービスモデルを考える ~ 浪江町きずな再生・強化事業 ~」
毎年このシーズン恒例の行事が東日本のオオクワガタのメッカである韮崎への弾丸ツアー。
今年も虫友と行って来ました。
日中にも関わらず、いました!いました!!大型のかぶちゃんのペアです。
(樹液酒場に群がるかぶちゃん)
もちろん、お目当てのオオクワッチの天然個体に会えることはないのですが、場クヌギやこの時期に樹液酒場を乱舞する国蝶の”オオムラサキ”や、
かぶちゃんに会えることを毎年楽しみにしています。
(昔々、虫取り少年のおじさん達)
山梨県韮崎市に隣接する明野町は、日本一日照時間が長いということで有名な町です。毎年、その日照時間を利用して、ひまわりフェスティバルが夏休みに開催されます。
この季節にはちょっと早過ぎてひまわりは数える程だったのですが、ちゃんとお目当てのモノはゲットしましたよ♪
(日本一日照時間の長い明野町名物のブルーベリーソフト)
さて、「共創型サービスモデル」について話を進めたいと思います。
--「ハッカソンを前提に、福島県浪江町で商談があるのですが」
自らが企画したさくらハッカソンをキッカケに、東北復興を支援する社内部門から問い合わせが来た、というのが前回までのお話です。
今回は、背景として、なぜ福島県浪江町がハッカソンという日本でもまだ珍しいイノベーション手法を採用し、調達プロセスを実行したのかということを、あしたのコミュニティーラボの特集を参考に考察してみたいと思います。
それは、浪江町役場がICTによる地域課題解決に実績のある一般社団法人コード・フォー・ジャパン(以下、CFJ)にコンタクトをとることからスタートします。
■「ともに考え、ともにつくる」
CFJは、市民が主体となり、地域課題解決に取り組むコミュニティ作り支援や、テクノロジーを活用したアクションを創発する活動を支援していく非営利団体です。
さまざまな立場を超える人たちと、より良い未来づくりのために、「ともに考え、ともにつくる」為の活動を行っています。
■オープンな調達プロセスの採用
福島県浪江町役場とCFJの出会いからスタートしたプロジェクト。
ここで注目したいのが、ベンダーによる既存のソリューションの提供ではなく、町民のみなさんの意見やニーズをヒアリングしながら、要件をしっかりと決めて、事業者をオープンに選定する調達プロセスを選択したことです。
町民が一体となり、本当に必要なタブレットを作るための町民参加型プロジェクト、「Code for Namie」の立ち上げです。
■様々な町民の利用者像をペルソナに
アイデアソンやハッカソンの前に、まずCFJと役場のメンバーが一同に会し、合宿を開催したそうです。
課題を共有し、それを受けて、町民へのヒアリングが開始されました。
県外に避難する町民へのヒアリングでは、各県に常駐する復興支援員の協力のもと、子育て世帯や高齢者世帯など、タイプ別の世帯に案内してもらい、CFJが中心となってインタビューを行ったそうです。
そこで浮き彫りになった現実は、県内の仮設住宅で暮らしている町民のみなさんは、ヨコの連携がとりやすい一方で、アパートやマンションなど借上住宅地で暮らす町民のコミュニティーはより分断されていて「地元の言葉にも飢えている状態」だったということ。
このように、様々な町民の利用者像を具体的に設定して「タブレット利用者像~浪江町民のペルソナ~」が作成されました。
(つづく)
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