Frente! 「Bizarre Love Triangle」(New Order) 94Mushroom

遠い昔となりつつある1990年代。バブルが崩壊し、冷戦が終結しても、80年代的な全能感は、うっすらと残存し、世紀末的な閉塞感との奇妙な混淆に蔽われていました。
 
そんな90年代中期、フレンテ!のライブを、渋谷と恵比寿の中間あたりの、小さなライブハウスで観ました。「来日公演」といったような派手さは全くなく、恐らくは地元オーストラリアで日常こなしている演奏と同じ佇まいでした。
 
ロックは既に全盛期をとうに過ぎ、新たな音楽的イノベーションはもう登場しないことが、確実になりつつあった当時。

その事実をしっかりと受け止めながらも、ささやかな若さで、音楽の力を信じようとした彼らの残した楽曲は、更に閉塞してしまった現在においても、確固たる力を持っています。