Marvin Gaye and Tammi Terrell 「Ain’t No Mountain High Enough」(Ashford/Simpson)67Tamla

「ソフレ」という言葉を知りました。添い寝フレンド。
肉体関係、恋愛関係ともに煩わしいが、ひと肌は恋しい、という人が増えているようです。

リアルな関係がSNSで加速度的に拡散することを恐れるのが要因のひとつとか。
 
性的関係のあり方は、婚姻制度の拘束度低下、フェティッシュな嗜好の一般化、同性愛の許容度拡大、ヴァーチャル商品の流通の拡大、売買スタイルのカジュアル化など、多様であることが一般化されてきていますが、またひとつニッチな新手登場、といったところでしょうか。
 
多様性を追認する相対主義は、社会の成熟度を象徴しているのでしょうが、一方で、亜種である故の脆弱さを孕んでいるとも思えます。
 
マーヴィンゲイは、多様性のあらゆる側面を知りながらも、普遍的な王道を希求します。恋愛と性欲が夾雑物なしにリンクして、華麗なスウィートネスを産みだす音楽。音楽そのものをこよなく愛し、迷いなくリズムとメロディーを紡いで、堂々と声を揚げるピュアネス。
 
タミーテレルとのフレッシュなコンビネーションで繰り出される、若い米国、黒い米国の強さと優しさ。モータウン全盛期の、ポップとファンクが同居する破竹のサウンドが、全能的な多幸感を導きます。