Simon And Garfunkel 『Scarborough Fair』 (Public Domain) 66Columbia

私は若い頃、アメリカ人はみんなワイルドに力強く、細かいことは気にしない大ざっぱな人たちばかりなのだと思っていました。

ロックを聞き始めた中学生の頃、繊細である意味退廃的な英国ロックが大層知的に思え、その代表格がデヴィッドボウイでした。

「ニューヨーカー」と呼ばれる知的なインテリがニューヨークにいることを教えてくれたのは、佐野元春でした。自ら編集長を務め、季刊誌「This」を発行した佐野氏は、高校生だった私にスノッブな世界というものの片鱗を垣間見せてくれました。

そして、ニューヨーカーの代表的な存在が、映画監督のウディアレンであり、俳優のダスティンホフマンであったこともわかってきました。ボブディランやニールヤングも東海岸的なインテリとしてのフォークシンガーなのでしょう。

その真ん中に位置すると言えるのがポールサイモンです。

『スカボローフェア』は、古いイギリス民謡だと初めて知りましたが、如何にもポールサイモンが作曲しそうな、繊細で美しいメロディーです。

アコースティックギタリストとして、時にはノイジーな弦の響きを聞かせるサイモンがここでは、シンプルなアルペジオに徹して、中世の息吹を呼び起こしています。

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