第20回 「Gの話」

開幕前は何となく精彩を欠いていたワールドカップですが、本田選手がゴールを決めた途端に一気に盛り上がり出しましたね(2010年6月15日現在)。

この拙文がお目汚しする頃には、決勝トーナメント出場チームも確定していることでしょう。

それはそれとして、ワタシはサッカー以外のことで寝不足の日々を送っております。
珍しいことに本業の調査業務が忙しいのです。
まさに四年に一度の珍事です。

依頼主はもちろん明かせませんが、内容を多少お知らせしても問題はないと思います(いずれ公知となるでしょう。って、コンプライアンス的にどうなんだ?)。

それは『みんなが好きなアルファベット一文字は何か?』という調査なのです。
(ランダムに電話番号を抽出して、全国の、ん万人を対象に調査をしたのでした)

その結果、なんと驚くべきことに、気になるアルファベットは「G」だとわかったのですっ!!!(って、表題からおおよそ見当はついてましたね・・・)

Gについて、いくつか具体例をあげましょう。

◇好きな野球チーム・・・読売ジャイアンツ
◇好きなサッカーチーム・・・ガンバ大阪
◇好きなスマートフォン・・・iPhone3G、iPhone3GS
◇好きな検索エンジン・・・Google
◇好きなメーラー・・・Gmail
◇好きな食べ物・・・餃子(Gyozaの王将)
◇好きな飲み物・・・グラッパとニッカG&G
◇好きな女性歌手・・・ゴールデン・ハーフ(次点、ベッツィ&クリス。なんの関係もないが)
ちなみに男性歌手はGreeeeeeeeeeen(ちょっと e が多い・・・)
◇好きなお笑い芸人・・・ガダルカナル・タカ
◇好きなアニメ・・・ガンダム
◇好きなスナイパー・・・ゴルゴ13。。。

異色のところでは、

◇好きなDNA塩基・・・グアニン
◇好きな自然科学現象・・・重力(調査期間中に野口さんと「はやぶさ」が地球に帰還したのがタイムリーでした。次点は等加速度直線運動)などなど。(公の場では書けない内容の回答もありましたが、すべて中年探偵団社調べです)

意外だったのは、こどもたちを対象にした「◇好きなおとぎ話」の項目です。

小太りGさん(こぶ取り?)と花咲Gさんが票を分け合ったのですが・・・最近のこどもたちの頭の中では、Gと爺がイコールなのですね。ちょっとした発見です。

アポ爺とペリ爺(大江健三郎著「同時代ゲーム」)に驚いた青年時代を想い出したのでした。。。。

たぶん、テクノロジーが世界を幸福にしてくれるという無邪気な夢が幻想となった今、こどもたちは従来のおとぎ話を信じなくなったのでしょうね。

その証として、ちまたでは密かに、ブルジョア爺とテクノロ爺が主人公の未来おとぎ話が流行りつつあります・・・・(例によって強引な展開ですが。。。)

未来おとぎ話『爺の話』

むかしむかし・・・(注:「むかしむかし」と云ってもず~っと未来から見た昔なので、やっぱり未来のことです)あるところにお爺さんとお爺さんとお爺さんとお爺さんと・・・・お爺さんがたくさんいました。(注:医学の発達と高齢化と少子化と屈折した道徳観によりこの世界にはお爺さんしかいないのでした)

エコロ爺(エロ爺ではないです)の提唱するスーパーマーケットのレジ袋廃止運動は、この世界の黒幕ブルジョア爺の陰謀でした。

ブルジョア爺の経営する会社が販売するエコバッグは粗悪なうえに、素材は自然破壊の産物だったのです。

真相を知ったイー爺さんは、良いお爺さんだったので、友人のバンバン爺やチンパン爺らと協力して、いっしょに集団爺行動を起こしたのでした。でも考え方が安易(easy)だったので、ブルジョア爺の一派に簡単に屈してしまいました。

その後、ブルジョア爺のまわりには、権力者のご機嫌取りの太鼓持ち(幇間)ばかりが集まり、暗黒の時代が始まったのでした。いわゆる体制幇間です。

しかしそんな中でも、心ある爺さんたちは明るい高齢化社会を取り戻すべく、隠密裡に活動していたのです。
そのひとりであるテクノロ爺は、ストラテ爺と戦略を練り、シナ爺と相乗効果を計りながら、ブルジョア爺の打倒を目指して仲間を募りました。

当初は曖昧な態度だったファ爺や、非暴力・不服従を唱えるガン爺も、最終的にはテクノロ爺とストラテ爺の考え出した戦略に同意しました。

その戦略とはスポーツ大会を開催し、競技を通じて平和的に威信を明示していこうという「明示威信」運動の推進なのです。

大会名は「爺-1」と命名されましたが、具体的に何のスポーツの大会を開催するのか?
まずはその話し合いからスタートです。

以下、のちに「爺爺放談」と呼ばれる話し合いの要約です。

・・・・

野球派のコスモロ爺は、野球ならば、日ハムのダルビッシュや東北楽でんマー君のような投手がいれば、すいすい勝てるし、観客に入場券を売る具合もいいと主張。

サッカー派のエナ爺は、サッカーはボールとゴールの枠さえあれば、地理に関係なくどこでもできるし、どいつでもできる。フェース・ペイントやブブゼラで応援もできる。雨で中止の野球と違って、激しい雨、理解不能な状況でもできる。テニスコートでも(じぼ)ワールドカップだ!とワケのわからない主張を展開。

プロレス派のクレイ爺は、格闘技は、直接相手を攻撃できる。顔乱打したり、体を噛めるーんだ、と主張。

でも、それは痛りあ、腹なんか蹴られたら腹(ぱら)具合が悪くなりそうだというタナトロ爺の反論には、ブーイング、ランドセルの嵐(?)。

そして、格闘技好きの、クレイ爺はその仲間のサイコロ爺と、プロレス対決の妄想に囚われ、議論は脱線・・・

【以下妄想】・・・

ブルジョア爺一派から来た挑戦状。迎え撃つのは覆面レスラー、キング・コブラ、ジルバを舞うような素早い動きで、背中を強く押ーすと、ラリアットの激しい逆襲。内耳(ないじ)へ、リアルにダメージを受ける。

眼にもチョップを受け、視力はもはや乳児、ランドルト環がよく見えない。。。
そこで、基本、焦(じ)らす攻撃体制に変更すると、もう相手は待ちきれない。

頭に血がのぽると「ガルー」とうなり声をあげて、見境なく反則攻撃。
手近に凶器がないので、会場の壁を壊しにかかる。何すろベニア板の壁、簡単に剥がすと、上履き、棕櫚(すろ)履き、足さばきで、敵の主(あるじ)エリアにそのまま踏み込む。

もう時間がないという勧告に、観客は焦(あせ)る。ビア(Beer)がないぞ!!

一心不乱すぎるのも考え物、ひらめき、試行錯誤がなければ、ただの暴力行為だと言われるが、そこは勝負。制限時間内の激しい攻防。
そして終わるタイムトライアル、全治んヵ月という負傷だけがむなしく残る

・・・【妄想終了】

その間、話し合いは空転し、腹拵えでもしようというファンタ爺の提案から、皆々(みなみあ)、ふりかけご飯とおにぎりはどちらが好きか、という議論に発展。

ノスタル爺の「おにぎり、鮭(しゃけ)が好きだ」という意見に一同ほのぼのし、幼い日のことをしみじみ想い出しましたがーな。
めでたし、めでたし。

・・・こんなおとぎ話はないだろう!!とエヌ爺に怒られる。

※今月もこんな与太話にお付き合いいただき、ありがとうございます。
最後まで読んでいただいたご褒美(?)として、サッカーワールドカップの優勝国予想をさせていただきました。本文中にワールドカップ参加32カ国のうち、31カ国の国名を織り込みました。ここに入っていない国が・・・Goal!!!

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