第48回 手帳を買いに

今朝、見るともなく朝の情報番組「はなまるマーケット」を見ていたら、主婦200人に聞いた「今年中にやりたいことベスト10」というアンケート結果を放映していました。

「ベスト○○」系ランキング好きのワタシとしては、主婦向け番組といえども、つい見入ってしまいます。

そして、その内容は?というと、以下のとおりです(注:カッコ内はワタシの独断と偏見)。

10位宝くじを当てたい
(誰もがそう思ってますが、自力ではなんとも・・・)

9位スカイツリーを見たい
(世界一の高さなので、東京近郊ならば、先っちょくらい見えそうです)

8位終活をはじめたい
(遺言に書く内容は借金額だけ。なんだかセツナイ・・・)

7位貯金・へそくりをしたい
(多少の小銭はある、と遺言に書きたい・・・)

6位ケガ・病気をなおしたい
(やっぱり貯めた小銭は、元気になって使い切りたい・・・誰が息子のヨメに。キーッ)

5位スマホにしたい

(実際にスマホにしてみると電話を受けることすらできません。アイコンをクリックするとき、つい指を舐めちゃいます)

4位習い事をはじめたい
(ピアノにバレエにヴァイオリン、ジャズダンスにリンボーダンスにベリーダンスetc.前途多難です。なぜ今年中にやりたいの?)

3位ダイエットをしたい
(今年中になんとしてもダイエットしたい!!と、毎年思い続けて、思いつめて、ストレスになって、やけ食いするのです)

2位旅行をしたい
(でもおカネがない。「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」と芭蕉も云っています。合法なハーブティでも飲みながら、ヒマな時間の流れをトリップしましょう)

1位整理整頓・掃除をしたい
(これが1位とは!どんだけモノがあふれているのでしょう?断捨離するしかありません。究極の断捨離は自分を捨てることだったりします)

などとテレビに突っ込みながら、今年もあと2ヶ月ちょいなのだ、と気づいたのでした。

気の早い人たちは年末年始のことを言い出す季節です。
11月1日になれば、年賀はがきも売り出されますし、クリスマスツリーの点灯式があって、ジングルベルも流れます。

おせち料理の締め切りが迫るし、誰も知らない流行語がノミネートされるし、縁のないデパートのお歳暮出陣式があって、さらに縁のない冬のボーナスを担保にした歳末商戦がはじまるのです。

そして年末ジャンボ宝くじが・・・・・・キリがないですね。

書店に行くと、来年のカレンダーがところ狭しと吊るされてします。そして、1月始まりの手帳が大きなスペースを占有して販売されています。

この「手帳」というヤツが曲者なのです。
誤解されることを覚悟で書きますが、ワタシは、長年、この手帳に苦しめられてきました。

手帳に人生を弄ばれた、と言っても過言ではありません(過言です)。

手帳といえば、スケジュール管理、メモ等の備忘録や住所録、Todoリストや目標管理といった機能を持ったデキる人間必携のアイテムであることは承知しています(キリッ!)。

しかしながら、ワタシは基本的にはITガジェット好きなディジタル人間ですから、パソコンのGoogleカレンダーにスケジュールを書き込み(ほとんど予定はありませんが)、外出先ではiPhoneの「さいすけ」というアプリでスケジュールの確認をし(予定がないのに)、「domo Todo+」というアプリでTodoリストをチェックし(やることもほとんどないですが)、「Ritual」という目標管理アプリで目標を管理しています(今日の目標は、腕立て伏せ10回です)。

だから、アナログな紙ベースの手帳は必要ないのです(キッパリ!)。

とは言え、この時期のビジネス系雑誌は手帳特集を組んで、たくさんの便利機能を持った手帳の紹介とデキるビジネスパースンの手帳術を披露して手帳購買欲を煽っています。

ディジタルなワタシには関係のない雑誌なのですが、ついつい気になって手にとってみると、「手帳を使わない人間はダメ人間だ」「この手帳術でどんな仕事もできる」「手帳一冊で出世街道まっしぐら」「手帳を活用して世界制覇だ!!」という言辞に簡単にマインドコントロールされて、手帳を買いに走ることになるのです。

なんといっても「手帳術」という言葉が妖しい。
「術」という言葉を広辞苑で調べてみると、

1.わざ。技芸。学問。「学術・技術・述語」
2.不思議なわざ。「-をかける」「妖術・魔術」
3.てだて。手段。すべ。「戦術・秘術」
4.はかりごと。たくらみ。「術策・術数」

堅気の人間をたぶらかす語意が並んでいます。

手帳「術」とは、まさに一般ピーポーを惑わす妖術・魔術の類いなのです。

こうして、ディジタルなワタシは、毎年、紙の手帳を各種買い続けることになるのです。

過去には能率手帳、「超」整理手帳、ほぼ日手帳に文庫手帳、トラベルノートにキャンパスノートのマンスリースケジュールノート、生徒手帳に母子手帳などなど、警察手帳以外の手帳はほぼ試したと言っても過言ではありません(過言です)。

ここ3年はモレスキンのポケットウィークリィノートブックを使っていますが、手帳術の雑誌を見てしまったからには、新しい手帳を買わずにはいられません。より一層デキるビジネスパースンになるために!!(ホントか?)

しかし、正直に告白すると、手帳は毎年買うものの一年間使い続けたことはないのです。

なぜ、使い続けることができないのか?
自分に必要な手帳の機能はなんなのか?
自分に本当に手帳は必要なのか?
手帳って何なのか?

というわけで、新しい手帳を買うにあたって、まずこれらの問題点をクリアにすることが急務となりました。

これらの問題点をまず、番号をつけて手帳に書き込みます。
次に、いつまでに解決するか、そのスケジュールを手帳のカレンダーに書き込みます。

最終目標日が決まったら、途中にマイルストーンを決めて、その時点でなにをやるかTodoリストに書き込みます。

わからないことが出てきたら相談する相手の電話番号を住所録から書き写します。

う~ん。。。こんなことをやりだすと、手帳を買うのが面倒になってきました。

気分転換に過去の手帳を開いてみると・・・

2010年
1月5日メモ「仕事始めたぬ玉うどん」・・・?
1月7日メモ「天玉そば」・・・昼飯のメニュー?
・・・
1月16日メモ「合鍵つくる」・・・何処の合鍵だろう?
・・・
2月4日メモ「呑む」
2月5日メモ「二日酔い」・・・なんじゃこりゃ
・・・
4月24日メモ「100均めがね立て」・・・買い物?
・・・
12月 5日メモ「18:30忘年会」
12月11日メモ「12:00忘年会」・・・昼から?
12月13日メモ「19:00忘年会」・・・
12月17日メモ「19:00忘年会」・・・
12月22日メモ「18:30忘年会」・・・
12月28日メモ「17:00忘年会」・・・
・・・・・・・・・・・

やっぱり手帳は買わなくてもいいかなぁ。

ちなみに2010年の手帳の最初のページには、その年の目標が書いてありました。

「今年の目標・・・宝くじが当たっても謙虚に生きる」(なんのこっちゃ)

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