第11回 プチリフォームのススメ ~壁紙のはなし~

部屋のイメージを手っ取り早く変えたければ、壁紙を張り替えるのが一番です。

フランスでは、学生が短期間賃貸アパートに住む場合でも自分の好きな壁紙に張り替えることが多いです。フランス人にとっての壁紙張りは、日本人の障子張りくらい身近なことなのです。

なぜかというと、フランスは賃貸住宅でも簡単なリフォームはOKというか、むしろ歓迎されること。壁紙専門店があり、安くて種類豊富な壁紙から選べるからです。

日本で初めてアパートを借りた時は、外国人と見るや不動産屋さんに「絶対に壁紙を変えたりペンキを塗らないでくださいね」と釘を刺された上に、勝手にリフォームしませんと書かれた誓約書にサインさせられたことも。3年間味気ない白い壁紙を変えたくてウズウズしていましたが、敷金が戻らなくなるので、じっと我慢。

初めて買った団地の部屋は全てを違う柄の壁紙に張り替えて、天井や柱も壁紙に合わせた色に塗り替えました。築40年のレトロな団地でしたが、見違える程お洒落になりました。売りに出す時に内見した人が内装をえらく気に入ってくれて希望の金額で売却することができました。

フランスに里帰りする時は、必ず 「4mur 」(日本語で4面の壁という意味)の大型壁紙専門店に行きます。日本ではサンプルブックでしか見られない壁紙が実際に壁に張って展示してあったり、大量の在庫があるので実物を見ながらイメージできます。素人でも張りやすいように作られた幅50㎝長さ10mのロールが平均10ユーロ(1500円)位と、日本よりずっと安く入手できます。

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日本は壁紙といえば白や薄いストライプ柄のように無難で飽きこないタイプが人気ですが、4murは漢字柄や古代エジプト風、ジャングル、摩天楼まで種類豊富です。そんな個性的な柄にして飽きないの?と思いますが、飽きたらまた自分で張り替えればいいやと考えているようです。

日本でも、最近はインターネットの壁紙専門店もあるし、輸入壁紙も手に入ります。でも、まだ好きな壁紙を買って自分で貼る人は少数派だと思います。
それだけ壁紙張りは難しく、ハードルが高いと感じている人が多いのです。

そこで私がおすすめする方法があります。それはトイレの壁紙張り替えです。

トイレは狭くて難しそうですが、広い場所より壁紙の継ぎ目も目立たないし、独立した空間なので柄も遊び心があるものや奇抜なものでもハマリます。
完璧に貼れなくても、トイレなんだから大丈夫!

コツを掴んだら、リビングやキッチンなど広くて目立つ場所に挑戦してみててはどうでしょう。壁紙はDIY の中でも力仕事がなく緻密さが必要なので、女性向けとも言えます。

奥さんの友達が家に遊びに来た時、壁紙が可愛いから自分もやってみたいと言うので、貼り方を教えてあげました。彼女には旦那さんがいますが、仕事が忙しいから、自分で壁紙を貼ったそうです。

最近はSNSに自分の部屋の写真をアップしたりインテリアにこだわる女性も増えていますよね。これから日本のDIYを引っ張っていくのは、意外にも女性かもしれませんね。

日本の壁紙メーカーさん。これからは女性目線でカラフルでポップな壁紙を作ってください。私もメイドインジャパンの壁紙をぜひ使ってみたいです!