「抱きしめたい」 はっぴぃえんど (松本/大瀧) 71URC
日本のロックの始祖といわれるはっぴぃえんどですが、オリジンであるだけでなく、その後約40年間の蓄積の上でも今だにトップにランクするバンドと言えます。
まず細野晴臣のベース。後年の様々な演奏でも最上のグルーブが聴けますが、24歳の時点でそれは既に獲得されています。更に若さ故の獰猛さでグイグイ煽られます。
そして大瀧詠一のヴォーカル。後年のロンバケでは、ソフトなクルーナーぶりを発揮していますが、このころの声は、まさにケダモノ。既成の秩序も同世代の音楽も、もしかすると松本隆の歌詞さえも全て否定しているかのような、強力な「アンチ」を孕んだうなりです。
バッファロースプリングフィールドに影響を受けたと当人たちは述懐していますが、むしろヴェルヴェットアンダーグラウンドに通じるアナーキーで無定形な「ロック」です。