Cream 『Crossroads』 (Johnson) 1968Polydor
先日、バーで流れている曲に、ハッと心動かされた。もっと正確に言うと、アグレッシブなギターソロにグッときた。
私「これ何?」
マスター「ダーティーマック。ロックンロールサーカスに出演したジョンレノンのバンドだよ。キースリチャーズも参加してる」
私「このギターソロ、ヤバいね。これはキースじゃないよ。明らかにクラプトンだ」
クラプトンのプレイは、流麗だ。澱みなくスムーズな運指は、「スローハンド」と呼ばれた。遅いんじゃくなくて、「ゆっくりに見える」かららしい。
今や、超大御所となったクラプトンは、悠然と「スローハンド」を披露しているが、若かかりし「クリーム」時代は、やんちゃだった。ベース、ドラムとの3人編成。3人ともがテクニシャンであるクリームは、アドリブの嵐が吹き荒れ、3人が演奏で喧嘩している。
ブルースのフォーマットは、ジャズの簡略版だ。ペンタトニックのスケールに原則あってれば、ブルージーになってしまう。延々とインタープレイを続けることで、演奏者にも聴衆にも恍惚を誘う。
「スロー」っぽく悠然と始まるクラプトンのソロは、やがて熱を帯び始めるるとともに、アグレッシブな攻撃性を掃射し始める。基本はアドリブだ。手癖だ。しかし、無意識に弾いている手癖さえ、優雅さと攻撃力を兼ね備えている。
ゴッド。史上最強のギタリストは、ロバートジョンソンではなく、エリッククラプトンだ。