第21回 クラウドファンディング+クラウドソーシング+オープンソース
みなさんもクラウドファンディングやクラウドソーシングのサービスがブームになっているという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらのサービスは2012年あたりから火がつきましたが、今年はますますブームになってくると予想されてます。
それぞれどんなサービスなのか、ご紹介します。
クラウドファンディングとは、crowd(群衆)とfunding(資金調達)を合わせた言葉。
クラウドファンディングのサービスを利用することで、起業のベースとなるベンチャープロジェクトに賛同してくれる不特定多数の人から少しずつ資金調達をし、合計で大きな資金調達が可能となります。
国内のクラウドファンディングサービスでは、都知事選にも立候補している家入一真さんが立ち上げた「CampFire」が有名です。
金融庁が2013年の11月29日にクラウドファンディングをもっと普及させるために新制度を設ける方針を発表したことも話題になりました。
クラウドソーシングとは、crowd(群衆)+outsourcing(業務の外部委託)。
こちらは、不特定多数の人に仕事を依頼することができるサービスです。
依頼主と依頼を受けた人が顔を合わせずに仕事が行われることが多い、というのが特徴です。
国内では「ランサーズ」や「クラウドワークス」などが有名です。
実は、私が株式会社ギークフィードを2012年に創業した際も、会社のロゴを作成する際に「ランサーズ」を利用しました。
当社のウェブサイトの左上に表示されているロゴです。
http://www.geekfeed.co.jp/
このロゴをクラウドソーシングで依頼した際には、70件近くのロゴの提案があり、その中から最も気に入ったデザインを選びました。
たとえば、デザイン会社1社に依頼した場合は、発注後にしか完成品を見ることが出来ませんし、デザインの案もせいぜい2~3案から選ぶのが現実です。
一方、クラウドソーシングでは発注前に70もの完成品の中から、最も依頼に近く、完成度の高い気に入ったものを選ぶことができたので、とても満足しています。
経営資源とは、人、モノ、カネ、情報といわれますが、この中の人とカネの部分を、これらのサービスを経由して調達できるものと言えます。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのはオープンソースのプロジェクトのみを対象として、これら話題の2つのサービスを提供する「Bountysource」(バウンティソース)というサービスです。
このサービスの利用例をご紹介します。
例えば、自分の所属する会社で「ZoneMinder」というオープンソースの監視カメラサーバーを利用しているとしましょう。
「ZoneMinder」にバグが見つかり、使えない機能があったとします。
そんなとき、「このバグを$100で直してほしい」という形で、賞金付きで依頼を投稿すると、誰かが直してくれたりします。
こちらの例では、このサービスのクラウドソーシングサービスの部分です。
トップページの「Found Bounties」から、そういった依頼や賞金を確認できます。
https://www.bountysource.com/bounties/search
また、プロジェクトをよりよくするために基金を設立し、資金を募ることもできます。
集めた資金から賞金を捻出して、プロジェクトの開発依頼をクラウドソーシングする、といったことも可能です。
上記の例は、このサービスのクラウドファンディングの部分ですね。
こちらは、トップページの「TopFundraisers」でご確認ください。
https://www.bountysource.com/
投稿された開発依頼をこなすことで、オープンソースのプロジェクトに貢献し、さらに賞金も手にすることができるこのサービス。
プログラマーの方は、これを機に、空いた時間で腕試しと小遣い稼ぎにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
IBMやfacebookも、自社で利用しているオープンソース開発にこのサービスを利用しています。
まだサイトが日本語化されていなかったり、登録されているオープンソースの数が少なかったりしますが、様々な可能性を秘めています。
例えば、オープンソースを利用したいけど開発やサポートが不安だった企業が試しに使ってみたり、オープンソースの開発をボランティアではなく商売としてやりたいプログラマーを引き入れる材料になる、といったことも考えられます。
新しいサービスを集約した、Bountysourceの今後に注目です。
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