第26回 写真や動画の整理って大変

今回は、撮り貯めた写真や動画をウェブサイト上からどこからでもギャラリーとして見ることのできるオープンソースを構築したときの話です。

ある理由で、幼少の頃~現在までの写真が必要になり、これまで撮り貯めてきた写真、動画を整理する必要があったことが発端となりました。

デジカメが登場する以前の時代の写真整理方法を考えると、撮る⇒現像する⇒アルバムに写真を入れる、という流れに統一されていたため、写真の整理といってもそれほど大変ではなかったと思います。

しかし、デジカメが登場して以来、写真や動画を撮ることのできるデバイスの種類が増え、進化も激しくなりました。

紙媒体の写真、miniDV、昔の携帯のメモリに残りっぱなしのデータがあったり、デジカメやスマホの容量がいっぱいになると、都度適当なパソコンの適当なフォルダにコピーしていたため、それらを収集して一覧できるようにするには、大変な労力を伴う作業になります。

そこで、まず私がやったことは以下の通りです。

1.データを一か所に集める。

・現像した写真
⇒フィルムは捨ててしまっていたり、古くなっていたので、写真をスキャンしてデータ化してパソコンに取り込み。

・miniDVテープとして残っている映像
⇒パソコンに動画として取り込みデータ化。

・デジカメやiPhone、Android、iPad等のSDカードに入りっぱなしの写真と動画データ。
⇒パソコンに取り込んで同じフォルダに集約。

・デジカメで撮ったけども、SD容量が少なくなるたびにいろんなパソコンのいろんなフォルダにデータを移していたもの。
⇒googleが提供している写真共有サービスpicasaのクライアントアプリケーションで、パソコンに保存されている写真や動画を自動的に探して一覧化する機能があったので、それを使用して、様々なところに置いてあった写真や動画データを一つの場所に集めました。

次に行ったことは、以下のとおり。

2.集めたデータをどこからでも見られるようにする。

一か所に集めただけだと、そのパソコンでしか見ることができないので、どこからでも見られるようにしたい。

そのため、最初は、無料のウェブサービスを使うことにしました。

写真や動画をウェブ上で一元管理するサービスは山ほどあるのですが、その中でも以下の条件に絞ることにしました。

・動画も含めると容量が100G以上になるので、大容量が無料で使えるもの。

・動画や写真をアップしても、サービスを終了してしまえばまた移行しなければならないし、移行が間に合わずにデータを消されてしまうと非常に困ります。なので、そのような可能性が低いサービスが絶対条件です。

これは、過去にもNaverが提供していたNドライブというものを使い始めたらすぐにサービスが終了のお知らせが来て移行をしなければいけないという経験があったためです。

・そのサービスを利用している人なら誰でも検索して閲覧できるのではなく、URLを知らない人しか見られなかったり、招待した人しか見られないよう公開制限機能があるもの。

・見た目が良い。

上記の条件をクリアし、1TBの容量を無料で使えて見た目がかっこいい「flickr」を利用することにしました。

でも、実際に利用を開始し、写真や動画をアップロードして全てのデータ登録を完了し、使っているうちに問題発覚。

新規で登録するたびに公開設定を設定しなければいけなかったり、写真のサムネイル表示サイズを変更したいけどできなかったり。

さらに、一番のネックは写真や動画が表示されるのに結構時間がかかること。

操作・閲覧時のちょっとしたストレスの積み重ねに加え、今まではfacebookやgoogleアカウントでログインできたのが、これからは米yahooアカウントでないとログインできなくなるよというアナウンスがされたのです。

これでは、以前使っていたNaverのNドライブの二の舞です。

という訳で、仕様変更やサービス停止に振り回される危険性を感じて、結局オープンソースで自前のサーバに構築することにしたのです。

オープンソースの写真ギャラリーシステムも山ほどあるのですが、動画もアップロードできて表示できるとなると候補が少なくります。

自前のサーバーなので容量も十分あるものを選び、公開権限に関してもそのOSS自体に機能がなくてもサーバー側でアクセス制限をかけたり自由にできるので、見た目を重視して構築してみました。

まず一番目に気に入り、構築したものがこちら

■phraseanet(何て読むかはわかりません)
https://www.phraseanet.com/en/community/captures-decran/

動画も扱えて、見た目がかっこいい。
早速インストール。
動画も扱えるとだけあって、動画を変換する他のOSSやライブラリをインストールしなければいけないので、手順は結構複雑。

そして、時間をかけて構築完了したけのにエラーで動かない。。。

再度手順を見直してインストールを試みてもダメです。
日本語で紹介しているサイトも2~3ありましたが、どのサイトも構築した様子がなく、こういうプロジェクトがあるよと紹介しているだけ。

ということで、これ以上深追いはせずに断念。

次に、選んだのがこちらです

■clipbucket
http://clipbucket.net/

動画を写真をアップして公開できるということで検討はしましたが、どちらかというとYouTubeのようなサイトを構築するもののようです。

却下。

さらに、次にインストールしたのがこれ。

■lifebox
http://www.getlifebox.org/

↑既にサイトへのアクセスも出来なくなってます。

デザインが優れた動画/画像ギャラリーシステムという触れ込みでしたが、こちらもphraseanet同様に、えらい苦労してインストールしたのに動かない・・・

このようなことをその後もいくつか繰り返し、最後にたどりついたのがこれです。

■KOKEN
http://koken.me/

インストールして、やっとまともに動きました。

今回は、マイナーなオープンソースをトライしてしまいました。

それぞれのオープンソースの名前で検索してみると、詳細な日本語のインストール手順があるものは一つもありません。

せいぜい”こんなの見つけました”的な日本語の紹介ページがあるぐらいです。

kokenやlifeboxは名前で検索してもたどりつけないぐらいでした。

今回の作業で学んだこと。

それは、このようなマイナー系のオープンソースを試用する場合には、かなりの労力を覚悟しなければいけない、ということです。

実際にOSSを構築するにあたり、これは、すばらしいオープンソースですよという紹介サイトの情報が多いですが、それだけではなく、まだ動かないですよといった情報もほしいなあと思いました。

それと同時に、やはり特にビジネスで利用する場合は、日本語でサポートしている会社があることが非常に大切です。

今回は、オープンソースを利用するときに大変な目にあいましたという事例紹介でした。

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