第32回 無料のホームページ作成サービスを使ってみました。

「起業してまず会社のホームページを用意したい。」

「特定の取引先相手の商売だったので、これまで会社のホームページがなかったが、新規事業を立ち上げたため、ホームページをつくりたい。」

「創業支援」や「中小企業へのIT支援」に関わるようになってから、こういった相談もよくいただくようになりました。

そこで、どこかのタイミングでオープンソースのギークな調べごとだけでなく、オープンソース以外も含めて、簡単にホームページをつくる方法を調べてみたいなと思うようになりました。

ということで、新年初回のメルマガは「ホームページをつくる」という、ポップなテーマからはじめたいとおもいます。

ホームページやブログを簡単に作成するシステムを「CMS」と言います。
これまでこのコラムでは、以下のような特徴を挙げて比較してきました。

・オープンソースのCMSでは、「WordPress」が圧倒的シェアを誇っている点。

・その他のオープンソースCMS「Joomla!」、「Drupal」、「concrete5」、「Geeklog」、「XoopsCube」、「MODX」

昨今では、無料のHP作成サービスも充実してきているとの話をよく聞くようになりましたので、あえてオープンソースではない無料のCMSを実際に使ってみて、WordPressとどっちがいいの?といった感想を述べたいと思います。

比較候補となる無料HP作成サービスは以下の3つです。

・Jimdo
・wix
・webnode

それぞれのサービスを利用して、「初めて会社のホームページを作成する」という想定シナリオで、最低限会社ホームページで必要な以下のコンテンツ構成でホームページを作ってみたいと思います。

・トップページ
・事業概要
・会社概要
・お問い合わせ

作成するホームページの画像素材やコンテンツは、「Drupal」で作成してある私の会社のHPから流用します。

http://www.geekfeed.co.jp/

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■Jimdo
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http://jp.jimdo.com/

ドイツ発のサービス。
選べるテンプレートは15パターンで、freeプランは、ずっと無料でつかえます。

無料プランの制約としては、以下の制約があります。

・フッターに広告が表示される。
・独自ドメイン設定できない。

ひとつ上のProプラン、\11,340/年を利用すると、これらの制約がなくなります。

Jimdoで作成したギークフィードの会社HPはこちら
http://geekfeed.jimdo.com/

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所要時間:約30分。

■Wix

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http://ja.wix.com/

イスラエル発のサービス。
選べるテンプレートは400パターン以上。
freeプランは、ずっと無料で利用できます。

こちらの無料プランの制約は、以下の3つ。

・トップ、フッターにかなり目立つ広告が表示される。
・独自ドメイン設定できない。
・月の帯域幅10G

制約がないプランは、\900/月で利用可能です。

wixで作成したギークフィードの会社HPはこちら
http://uchi55.wix.com/geekfeed

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所要時間:約1時間。

■webnode

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本社はスイス、開発はチェコ共和国のサービスです。
http://www.webnode.jp/

最初にアンケート形式で質問に答えていくとサイトの雛形ができ、コンテンツもある程度それっぽいものが用意されています。

選べるテンプレートは100分野以上とのことで全部でいくつかは不明ですが、上記で紹介している2サービスよりも選択肢がありそうです。

freeプランは、ずっと無料。

無料プランの制約としては、

・月の帯域幅1G

帯域幅20Gのプランは、

\955/月

無料プランでも独自ドメインを設定することができます。

webnodeで作成したギークフィードの会社HPはこちら
http://geekfeed.webnode.jp/

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所要時間:約1時間。

■無料プランの感想

どのサービスも無料プランでは制約がついているので、どの制約なら許せるかですね。

では、どのような選択をすればいいのでしょう。

・会社のホームページなので、絶対に独自ドメイン、広告を絶対に表示したくない

→webnode

ただし、帯域1Gの制限があるので、画像や動画を多用してアクセス数がある程度あると、月末には表示されなくなってしまうといった心配がでてきてしまいます。

アクセスされても表示されなければ意味ないので、やはり有料プランに移行することになりそうです。

・いちばん簡単にサイトをつくれるのは?

→jimdo

テンプレートが16種類なので、時間もお金もかけずに用意できる一方、どこかで見たことのあるようなページになってしまいそうです。

広告はそんなに目立たないにしても、独自ドメイン設定できないので、ちゃんとした会社のHPを用意したい場合はやはり有料プランに移行したほうがよいかと思われます。

Wixも同様に独自ドメイン設定できない、あまり目立たないが広告が表示される等の制約を考えると、有料プランに移行したくなるでしょう。

 

では最後に、私の考える「ホームページ無料サービス」、「ホームページ有料サービス」、「WordPress」の使い分けについてお話します。

●サイトを一度もつくったことがないからとりあえず練習編として無料のホームページを作ってみたい

→「ホームページ無料サービス」

CMSがどのようなものなのかを、お手軽に体験する。
サークルなど、身内での情報共有用途のページなんかもこれで十分でしょう。

●事業概要、会社案内、お問い合わせなど、ほとんど更新しないコンテンツだけのホームページを、独自ドメイン、広告なしでそれなりのページを早く自分で簡単に用意したい。または、ニュースだけ更新するなど、サービスが提供している機能の範囲で将来的にも収まる見込み。

→「ホームページ有料サービス」

を利用して、しばらく様子見。

●デザインや機能にオリジナリティを持たせたい、今はまだわからないが、将来的に事業規模が大きくなったときに、つくりなおさずに拡張性があるほうがよい。多少勉強が必要でも自由度が高いほうがいい。
サービスの提供中止や規約変更、料金変更などに振り回されたくない。

→「WordPress」

を利用してどんどん活用していきましょう。

というがよいのではないかと思います。

今回紹介した3サービス以外にも無料のホームページ作成サービスはいくつもありますし、増え続けているようです。

今回、コラムのためにいくつかのサービスを紹介して思ったこと。
ユーザーにとって選択肢が増えるのはよいことでしょうが、相談に応えるために、把握しなければいけないサービスが増えていくのは大変!と気づかされたのでした。

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