第75回 未をめぐる冒険

一年の計は元旦にあり。

毎年、元旦が来るたびに、深く噛みしめる言葉です。
ご存じのようにその意味は、一年の計画や目標はまず年初である1月1日の朝に立てなさい、ということです。

前日の大みそか、年越しに浮かれて、どんなに夜更かしをしたとしても、深酒をしたとしても、1月1日はしっかりと朝から新年の目標を定めなさいということなのです。

ですから「一年の計は元旦にあり」とは、非常に重い言葉なのです。
(余談ですが、法曹界では「一年の刑は短期刑」、自動車業界では「一年の軽は五年の3ナンバー」と言われています)

新年の目標を立てるには、まず前年の総括が必要となります。
さて、昨年は大胆にもいくつかの目標を立てました。
もはやご記憶にないかもしれませんが、その目標をこのメルマガ上で紹介していました。

1.本を百冊読む
2.映画を50本観る
3.毎日日記を書く
4.外国で英語を喋る
5.スポーツクラブで腹筋を六つに割る

そして、これをまとめる大目標として「他人に厳しく自分に優しい」という目標を掲げたのでした。

1年経過した今、正直に総括をしますと、

1.年間の読書数30冊(雑誌は除く)
2.観た映画8本(うち機内で3本)
3.日記は2月26日で中断(いわゆる2.26事件)
4.英語圏には2回行きましたが、必要最低限のことしか喋れず・・・(頑張っ
たのはアメリカのSUBWAYでローストビーフのサンドイッチを頼んだことでしょ
うか。ハーフサイズを頼んだつもりでしたが、アメリカサイズのフットロング
を手渡されましたが・・・)
5.1月に入会したコ○ミ・スポーツクラブですが、11月に都度利用会員に変更
しました(事実上の退会です・・・)今、腹筋は脂肪の下に隠れて見えません

唯一達成できたのは「他人に厳しく自分に優しい」というこの一点です(これじゃ、だめじゃん)。

ひいき目に見ても、2014年は惨敗です。。。

しかし、これを引きずるわけにはいきません。引きずりませんが、惨敗を踏まえて、2015年の目標を立ててみました。

1.本を読む
2.映画を観る
3.日記を書く
4.外国で喋る
5.スポーツクラブにあこがれる

と、書いてみましたが、何かインパクトに欠けますね。4番目は外国の地で喋るだけです。何語を話すのか不明です。

5番目は目標ですらないですね。。。

やはり、具体的な数値目標がないと「一年の計」とは言えないですね。。。(こういう適当な計画を我々の業界では「エア計」と呼んでいます。でも、錦織圭が木刀でテニスをするCMはかっこいいですね。昔、「巨人の星」で花形満がバットでテニスをしてノックアウト打法を編み出したのを思い出してしまいました。。。)

まあ、1番目と2番目については、数値目標を立てたいと思います。
いろいろ諸般の状況を鑑みながら、来月上旬までには具体的な数値を検討させていただきます(って、社内の営業会議でごまかす人みたいですね・・・)。

読書はテーマがあると、取っつきやすいので、まずは未年ですからヒツジにちなんだ本を読むことにしようと思います。

「羊をめぐる冒険」(文学)、「羊たちの沈黙」(ミステリー)、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(SF)あたりが妥当なところでしょう。

夏目漱石の「三四郎」にも羊がキーワードとして出てくるので、これも是非読んでおきたいところです。
確か、年上の女性が「stray sheep」と呟くのを聞いた三四郎は、それが気になって勉強も手に着かず、近所のお寺の和尚にそれは何かと訪ねると、「自分で考えなさい」とお寺の池に投げ飛ばされ、そこに夜が明けるまで浸かっていると、目の前で蓮の花が「ポン」と音を立てて咲いたのを見て悟りを開き、その後、真っ赤な柔道着を着て父の敵(かたき)を探して世界各地を旅するのでした(あれ?「姿三四郎」と「紅三四郎」がゴッチャになったかもしれませんが、だいたいそんな感じです)。

外国文学にもヒツジ関連の本がありますので、それも読書対象としてピックアップしておきます。

ロシアの文豪ドストエフスキーが未(ヒツジ)の成年(たぶんマトンでしょうね)について書いたと言われている「未成年」、スイスの作家ヨハンナ・スピリの「アルプスの少女ハイジ」に登場した羊飼いの少年ペーターが、大人になれなくてネバーランドに移り住んでいろいろな冒険をするという「ペーター・パン」、シェイクスピアの四大悲劇などの戯曲を子供向けの物語として書き直したラム姉弟(子羊ですね)の「シェイクスピア物語」など。

さて、せっかくですから(?)、この流れで「ヒツジ」について考えてみましょう。

一般に「羊」は草食性で温和で常に群れをつくる習性があります。そのため英語では単数形も複数形も同じsheepです。deer(鹿)も群れを作るので単複同形ですが、羊との違いは鹿の群れにはリーダーがいることです。

鹿はリーダーの進む方向に群れも従いますが、羊にはリーダーがいなくて、なんとなく群れを構成しているため、牧羊犬にうまいように操られてしまうのです。

まさに「羊頭狗肉」です(嘘です。まったく意味が違います)。

本来「羊」は、「祥」と同じく、「よい。めでたい」という意味を持っていて「おいしくて、よい姿をしたものの代表」とされています(と辞書「漢字源」に書いてありました)。

なので、「養」「善」「義」「美」という漢字には「羊」が含まれているのです。

「羊頭狗肉」(「羊の看板を掲げて、犬の肉を売る」的な意味)という四字熟語も、羊が美味しい前提です。

当然、ジンギスカンも美味しいし、羊羹も美味しいのです。

「羊の皮をかぶった狼」という慣用句は「美味しい羊を食べて、残った羊毛で暖かく冬を過ごす狼」という意味はありませんが、おとなしそうで草食系に見えるのに、実は肉食系だった、という一部の女子に見られる傾向のことです。

「ベジタリアンだけど羊肉は食べる」と同義です(ウソです)。

と、「ヒツジ」について書いてみましたが、これ以上、羊毛で体が膨らんでも、話は膨らみようもないので勝手にカット。

カットといえば、映画です。

今年は映画を何本観ることができるかわかりませんが、12月18日から上映の「スターウォーズ エピソードⅦ」は絶対観る予定です。38年前の1作目(エピソードⅣ)からのファンとしては、観ないわけにはいかないのです!!
もはや今年の目標はそこにあるといっても過言ではありません。

今年最初のアマゾンでの買い物も「スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ入門者編」でした。
(中学生レベルの英単語1000余りを納めた英和辞典で、例文はほとんどスターウォーズ エピソードⅣ~Ⅵのもので実際の英語学習にはまったく役に立たない代物です)

12月18日が待ち遠しい。。。。。。って、「スターウォーズ エピソードⅦ」を観たところで、今年一年もおしまいです。

ということで、来年の申年に期待しましょう。(なんのこっちゃ)

201501f

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