第13回 「マル秘プロジェクト」
今年もAKBの総選挙が行われ、あっという間に一年の半分が終わってしまいましたね。この歳になると、本当に月日が流れるのが早く感じます。
クワッチの方は、先週末にやっとのことで山梨県の韮崎産や佐賀県の神埼産に加えて、新産地の京都府相楽郡の産卵セットを組みましたよ。
「えっ、遅いじゃないか!」
とブリードに詳しい諸先輩のお叱りの声が聞こえて来そうですが、そうなんです。
実は、例年なら3月ぐらいから準備をしてGWの5月には産卵セットを複数組むのですが、今年は諸般の事情により、この時期になってしまいました。
白状すると、仕事も忙しかったこともあるのですが、実は今年の7月にダイヤモンド社さんから本を出版することになり、その執筆に忙殺されていたからなんです。
「クワガタやっているお前が、もしドラのダイヤモンドからどんな本を出すんだ!」
とこれまた詰問されそうですが(笑)、そうあのドラッガーとかハーバードビジネスレビューを出しているビジネス書で有名なダイヤモンド社です。
実はこのコラムを書き始めた昨年6月頃から、このマル秘プロジェクトはスタートしておりました。
ある方の紹介で、サービスサイエンスをクワガタのブリードサービスで実践して学会で発表している面白い奴がいるという噂が担当編集者の耳に入ったことからお声が掛りました。
もちろん、当初のテーマは『クワガタ×サービスサイエンス』(笑)
そう『がんばれパパクワッチ、サービスサイエンスを実践する!』が、初回の企画書のタイトルでした。
企画書を書くのは仕事でも良くやっていたので、出版社の指定する方式で企画趣旨から目次を含めワードで5~6枚でまとめました。
僕の担当編集者のK氏は、見かけはガッシリとした体格で(後でお聞きすると僕と同じ野球人でした!)で全世界で1000万部以上も販売され、未だに読み続けられている『ザ・ゴール』というビジネス小説シリーズを担当したことでも知られています。
『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』
エリヤフ・ゴールドラット (著) ダイヤモンド社 1,680円
※クリックするとアマゾンページへ遷移します。
「あぁ、あの黄色い表紙の本ね!」とご存知の方も多いかもしれませんが、そうなんです。あのイスラエルの故ゴールドラット博士のビジネス書です。
そのK氏が、初回の企画打合せで大きな体をすぼめて、申し訳なさそうに、
『柴崎さん、クワガタでサービスサイエンスを実践してこられたのはわかりますが、さすがにニッチ過ぎて読者像が描けません』
と仰るではありませんか!
この不真面目な僕が、クワッチの趣味を通してこそ、サービスサイエンスを実践して来られたというのに・・・そのクワッチを否定されてしまっては!
もろくもパパクワッチの出版の夢が崩れ去ろうとしている瞬間でした。
すると、Kさんが暫く考えた末にもう一度仰いました。
「あの~、クワガタを外してもう一度企画書を書いてもらえませんか」
その瞬間、反射的に思わず「ハイ!」と返事をしてしまいました。
そして、企画のテーマを『クワガタ×サービスサイエンス』から『ソーシャルメディア×サービスサイエンス』に切り替えて企画書を作ってみることに。
甲子園以上に、暑い暑い夏の始まりでした。
しかし、その後に地獄の1,000本ノックが待っているとは…当時の私には想像もつきませんでした。
その様子は次回にでも。
(つづく)
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