レピッシュ「シュハキマセリ」(げん)86CAPTAIN

現在では、インディーズというと、メジャーデヴュー前のアーティストがとりあえずCDをリリースする登竜門のようになってしまいました。しかし、1980年代のインディーレーベルは、メジャーとは一線を画す、音楽的な立場を、ラジカルに表明する場所だったのです。

「東京ソイソース」と呼ばれた、レゲエ~ダブを基調とするムーブメントも、そんな東京のインディーシーンから登場したのでした。

雑誌「宝島」が主宰するキャプテンレコードからリリースされた、レピッシュの「シュハキマセリ」。かなり荒削りではありますが、そんな「東京ソイソース」の熱気を今に伝える独特のコクが、何ほどかいかがわしい若者の毒とともに、空気を突き刺します。

思えば、メジャーもアンダーグラウンドも、エッジに到達しようとしたのが80年代だったのかもしれません。