第16回 「火事場の馬鹿力!」
虫の鳴き声がチロチロと鳴り響くようになりましたが、まだまだ蒸し暑い日が続いております。みなさん如何お過ごしでしょうか?
パパクワッチは、ここ数年体力の衰えを感じて(笑)、毎年暑い夏を乗り切ることが苦痛になっておりました。
しかし、今年は出版やらイベントが続いたおかげか忙しさのあまり、あまり苦痛に感じずに夏を乗り切ることができました。人間いくつになっても充実して忙しくしていることが健康の秘訣かも。
さて、遅ればせながらペアリングセットしてオオクワッチですが、正直なところうまく採卵できるか心配でした。しかし、お陰様で何とか、第一陣は大量の幼虫を採取できましたよ♪
《採卵した佐賀県神埼産のオオクワッチ赤ちゃんのゆりかご(800CC菌糸瓶》
これに気を良くして第二陣、第三陣をセットをしました。晩夏のブリードとなりますが、どうなることやら...採卵結果が楽しみです。
さて、何とか本の出版GO!に漕ぎ着けたパパクワッチですが、
「GW明けまでに原稿をよろしくお願いしますよ!」
と編集者Kさんに厳命されたものの、どうやってこの局面を乗り切ったらよいものか、最大の危機を迎えておりました。
幸い息子が高校3年ということで受験勉強に忙しく、GWの家族旅行はナシと決めていましたので連休はフルに活用するとして、タタキ台としての原稿をなんとか書き溜めなければいけない状況でした。
出版したことのある恩師の話では、
「柴崎君、文章力を見極められライターをつけられてしまうかもしれないよ」
と聞かされていました。
これは、本を執筆ではなく取材を受けて本をつくるようなものなので、屈辱的な話だと思っていました。
運良く私はそのような進め方をせずに自分で執筆を許されたので幸せでした。
しかし、問題は、日中仕事もしながらどうやって書き進めるかという物理的な時間確保なのでした。
そこで思いついた秘密兵器がこれ!
《ELECOM製折りたたみ式iPhone用キーボード》
持ち運びが便利で、ちょっとした挟間時間にも原稿を打つことができます。
この秘密兵器を活用してiPhoneのメモ帳にパチパチと原稿を打っていきました。
「こんなおもちゃみたいなキーボードで大丈夫なのかよ!」
という声も聞こえそうですが、なかなかどうして、ストロークもあり、出社前のプロントでのコーヒータイムや昼飯時にフル活躍してくれました。
「だけど、こんなちっちゃなiPhoneの画面で全体を見失わないの!?」
ハイ、確かにご指摘の通りです。私自身も全体の構成を考えながら上手く執筆できるか本当に不安でした。
しかし、この時点でなぜ編集者のKさんが企画書の目次作りに時間を掛けていたのかの理由が身をもって理解することができました。
あーだ、こーだと全体の構成やポイントとなる場所を議論して、事例の選定はもちろん、使う言葉やフレーズの吟味をさんざんして来た甲斐があり、どんどん書き進めることができたのです。
頭に中に構想ができあがっていると、あとは文章として吐き出すだけなので、企画書でウンウン唸ったときよりも苦労せずに進めることができました。
なるほど、プロの編集者の進め方に脱帽です。
メモ帳で書き溜めた原稿のネタはまとめてPCに転送して、Wordで仕上げました。
やはり整合性をとるためにチューニングは必要でしたが、頭を使う作業というよりは、編集作業なので結構楽しかったです。
そして、はじめは無謀とも思えた四六版240ページ分の原稿を無事GW明けに提出することができたのでした。
おまけといっては何ですが、たくさん書きすぎて260ページ分位になってしまい、逆に後から削ることになってしまいました。
原稿を書くにあたり、サービスサイエンスの研究仲間から沢山の事例を紹介してもらいましたが、ページの関係から全てを掲載することが出来なくなり泣く泣く削除させていただきました(本当にすいません)。
人間、何事でも熱意を持って取り組んでいる時には頑張りが効くものです。
今回の原稿執筆は、仕事を抱えながらの作業だったので3連徹なんていうこともありましたが、やっている当人は楽しく進めることができました。
盆と暮れが一度に来たような忙しさでしたが、まさに火事場の馬鹿チカラを発揮して乗り切ることができたのです。
パパクワッチにとっては、人生始まって以来の充実した毎日でした。
(つづく)
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