第42回 「生産者の想いを消費者に伝える ~街かどサービス探検隊♪~」

あっと言う間に秋も深まり、今年ももう2ヶ月を切ってしまいました!

毎年このシーズンに頂く質問は、”オオクワガタは、いつから冬眠しますか?”、”ゼリーは、いつ迄与えれば良いですか?と言ったご質問です。

2014110k

香川県綾歌郡綾川町産の79mm♪

“ハイ、冬が来たから明日からクマさんのように穴に篭って深い眠りにつきましょう!”というのではなく、モゾモゾと活動はしながらも徐々に眠りについて行くと言った感じでしょうか?そして目が醒めるのは、来年の3月から4月といった感じですので、できれば餌切れしないように冬眠する容器にゼリーを入れておけば安心です。

さて、シリーズでお送りしている”街かどサービス探検隊♪”ですが、今回は、先頃グッドデザイン金賞を受賞した東北食べる通信を紹介したいと思います。

■特集記事とともに、自慢の一品が届く!

読むだけでなく味わうことができる!というユニークなサービスで注目を集める「東北食べる通信」は、2013年7月に創刊されました。毎月1回、独自の哲学でおいしい食べものを作り続ける東北各地のスペシャリストたちにクローズアップし、食べ物(モノ)と生産者と生活者の交流(コト)のコラボレーションを実現しています。

「東北食べる通信」は、月額1,980円の定期購読サービスです。会員に毎月届けられるその情報誌には、作り手のこだわりの記事が満載。

しかも、Webサイトでのリアルタイムの情報提供に加え、Facebookの会員ページで作り手と直接交流ができる仕掛けも持っています。
食べ物は、追加料金で増量することも可能です。

201411k

「東北食べる通信」グッドデザイン金賞
http://www.g-mark.org/award/describe/41840

■コンセプトは「世なおしは、食なおし」

さらに、この「東北食べる通信」を発行するNPO法人東北開墾では、個別の作り手との交流を深めていくための、新しいサービスも展開しています。

それはCSA(Community Supported Agriculture)と呼ばれ、前払い・年額制の会費によって、生産現場の天候リスクなどをシェアすることで、作り手が市場価格に振り回されずにこだわりの食べもの作りに取り組める環境をサポートすることができる仕組みです。

また、生産現場を訪れるツアーや、作り手が会員に会いに来る東京でのイベントも開催され、年一回程度開催される「CSAミーティング」では、作り手や会員同士が一緒に生産現場の課題解決やよりよいサービスを検討できるようになっています。
これは、一次産業の共創事例としても大変興味深い取り組みです。

■日本食べる通信リーグへ

産地のこだわりの食べもの付き雑誌というコンセプトは、既にマーケットに受け入れられ、各種メディアで取り上げられています。

また、1,000名を超える継続購読会員を獲得し、東北に限らず、他の地域からも同様のモデルの展開と協働の声があがっています。

そこで新たに立ち上がったのが「リーグ制」という形式。
本部がルールを決め、現場がそれに従って経営するフランチャイズ方式とは異なり、各地で食べる通信を展開する加盟団体の代表者が集まって、全体のルールや運営方針を決定していく新しい共創の仕組みです。

このリーグ制では、既に四国や北海道の食べる通信が立ち上がっています。

農家さん、漁師さん、酪農家さんが食べものの物語を発信し、作り手と生活者の絆を取り戻す取り組みが全国に拡がり始めています。

■モノ(食べ物)を介して新しいコト(生産者と生活者のコラボ)が産まれる

昔は、畑の脇で人参や大根など野菜の直接販売が行われ、農家の人にこだわり野菜についていろいろ話を聞くこともできました。

生産者から卸売りを経てスーパーやコンビニなどの小売で販売される仕組みは、生活者の我々には一見便利なようで、実はこのような生産者との交流の機会を奪ってしまっていたのかもしれません。

第1次産業の6次産業化、言い換えればサービス化(コトづくり)は、今後も加速しそうです。

(つづく)

がんばれパパクワッチ バックナンバー