WHAM! 「Everything She Wants」(George Michael) 84EPIC

80年代初頭、「ブリティッシュインベージョン」ってのがありました。
イギリスの若いアーチストがアメリカのヒットチャートを席捲し、日本でもアメリカ人とは全く違う彼等のセンス(音楽・ファッション・カルさ・美形)が
人気でした。

日本女性の男性スター市場のシェア10%ぐらいは、日本(ジャニーズ)、米国(ハリウッドスター)に次いで、イギリスが抑えてるんでしょうね。
最近だとベッカムが主力ヒット商品。英国人のハンサムはノーブルで知的で、影がある。ちょっと酷薄そうな感じ(でも本当は優しいの!)、というブランディングでしょう。

ワム!はジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーの男性2人組。
「ブリティッシュインベージョン」の主戦力でしたが、英国ブランド標準より、かなり大衆路線です。ヤンチャな悪ガキがご機嫌なダンスチューンを歌う。影が全く無く、能天気に明るい。まぁ、ちょっとバカっぽいぐらいかな。

ところが、この一見バカが、実は音楽の天才だった!

2ndアルバム『Make It Big』はポップの神様がジョージの元に舞い降りた一世一代の大傑作。単純明快なわかりやすいヒット曲を次々と書き、それを力強い明るさで歌いまくるジョージ。

「Everything She Wants」はポップ大洪水のなか、ちょっと渋めに抑えたミディアム。シンセ、シンセベース、ハイハットのチープな音しか聞こえないスカスカなサウンドが、神がかったジョージの力技で、クールでファンキーなキラーチューンに仕上がっています。