萩原健一「Ah! Ha!」(大津-篠原)84Bourbon

エキセントリックな歌い方が揶揄される対象ともなるショーケンです。

確かに普通の感覚で聴くと笑える感じかもしれません。

独特のうめき声や、短いシャウトが、歌メロの間にアドリブで刻まれるアレです。

しかし、萩原健一のロックは、そんなゲテモノではありません。

手練れのバンドマンを従え、ミディアムテンポのいなたいロックンロールを熟成させた、80年代前半の諸アルバムは他に比類のない種類の音楽、まさに日本オリジナルのロックに仕上がっています。

「Ah! Ha!」は82年のアルバム『D’ERLANGER』の1曲目。

キーボードのリフに導かれ、地味シブなギターが絡む。なにほどか跳ねて、コクもあるリズム隊。そんなオヤジサウンドを従え、30台前半のショーケンの艶のある声が、決してフェイクではない真髄をオン/オフしながら吐き出されます。