Fine Young Cannibals 「Johnny Come Home」(Gift-Cox-Steel)85London

80年代後半、英米でヒットを飛ばしながら、短い活動期間でフェイドアウトしてしまった英3人組、ファインヤングカニバルズ。
80年代英国ならではの、独自のセンスの存在感とサウンドは今聴いても色褪せていません。

「Johnny Come Home」は彼らのデビューシングルであり、バンド名と同名の1stアルバムのA面1曲目でもあります。トランペットのイントロに導かれて聴こえてくるローランドギフトのヴォーカルがまず忘れられません。

何というか発声法が独特で、クセと味のある声。
英国の黒人ミュージシャンは、本家米国のソウルマンとちょっと違い、迸る程のパワーはありません。ジャジーでお洒落。線は細いが、スタイリッシュに
カッコいい。ソウルⅡソウル、シャーデー、ブランニューヘビーズ。

ギフトの声を地味に下支えするのがアンディコックスのギター。その小刻みなカッティングは、例えばナイルロジャースのように、定期的にカッチリ刻ま
れることからファンクネスを生み出すタイプではなく、かなり恣意的に断続します。

音程の高低も上下しながらうねるカッティングプレイは、ウィルコジョンソンのライト版ともいえ、彼がブリティッシュスカバンド、ザ・ビートに在籍していたことも窺えます。