Jamiroquai 「Too Young To Die」 93SONY

90年代は、70年代が復活した時代でした。
80年代には、シンセの無機質な音色と打ち込みの揺れのないビートが席捲しました。

人肌を感じさせる有機的な楽器の人力演奏、髭やベルボトムが象徴する70年代は最もダサいものとなっていたのです。

ところが、グランジに代表されるオルタナティブロックやレアグルーブ、アシッドジャズといったタームから70年代テイストは復活したのです。ベルボトムのジーンズも。

ジャミロクワイはそんな70年代回帰を代表し、かつ90年代の位相に昇華させた存在といえます。ソウルミュージックは70年代にリズム的にも、和音感的にも深化しますが、ディスコの大衆化あたりから迷走の80年代に退嬰していきます。

進化の原点を70年代にフィックスし、デジタルサウンドを再解釈した新しい意匠で再コーティングする。ジャミロクワイのこの再定義が現在のリズム解釈に於いてもオリジンの一つと言えるでしょう。