Lou Reed「Perfect Day」(Reed) 72RCA

ロックンロールとは、何か。60年代後期から昨年亡くなるまで、オルタナティブなオリジネイターとして、その荒野を切り拓き、リアルな存在感を貫き通した、ルーリード。
 
当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったデヴィッドボウイとのコラボレーションが、奇跡的な成果を上げ、リードの長いキャリア上でも屈指の傑作となったのが、アルバム『トランスフォーマー』です。
 
メロウな曲が多くの割合を占めるなか、シンプルなメロディーが美しく、密かに煌めくのが、「パーフェクトデイ」。
 
既成の考え方をなぞらず、誠実かつクレバーに生きていると、不可避的に退廃に陥ってしまう。理知的なロックンローラーは、当然そのことを充分に認識しているのだが、回避することはできない。
 
そんなこんなの報いが、じわじわと我が身を蝕みつつある恐怖。
 
絶頂期にありながら、どっぷりと退廃に浸かっていた、リードとボウイ。

美しいメロディーに乗せて、その恐怖感を見事に抽象化し、深い諦念とともに、そこからしか再生できない、確固とした希望も提示しています。 
 
http://www.loureed.com/