The Who 「The Good’s Gone」(Townshend) 65Brunswick

ブリティッシュインベイジョン。1960年代初頭、ビートルズのデビューを嚆矢として、黒人音楽に影響を受けたイギリスのバンドが次々と登場し、アメリカを初め全世界を席巻しました。
 
その熱気のなか登場したのが、ザ・フーでした。そして、現在に於いても、衝撃的なのが、キースムーンのドラミングです。
 
もはや、これは「黒っぽい」リズムどころではありません。この上なく凶暴。
獰猛に暴れ、転がりまわる。そう、転がるビートです。動物的な生命力が隅々まで行き渡った、太古の狩猟民族の跳躍、ともいうべき。
 
しかし、単に乱暴なのではない。彼等は、英国の伝統に敬意を払う、スタイリッシュなファッションリーダーでもあったのです。

リーダーのピートタウンシェンドは、この躍動感あふれるサウンドを、クレバーなセンスで巧みにコントロールし、上質なポップに仕上げています。
 
残念ながら、このビートが聴けるのは、ザ・フーの最初期のみです。
他のバンドでは当然聴けません。ただただ、必聴。