Grateful Dead 『Sugar Magnolia』(Weir/Hunter)70Warner Bros

アメリカ独特のユルい楽天主義。深読みすれば、歴史を持たない国の風来坊気質なのか、とも思いますが、そんな気質を膨大な数のファンも巻き込んで体現しているのが、グレイトフルデッドでしょう。

黒人のリズムを白人的に解釈するセンスがロックの独自性ですが、おそらくは、デッドにはその意識は希薄なのでは。

カントリーフレイバーが楽しい「シュガーマグノリア」では、むしろアーリーアメリカンを切り拓いた根無し草野郎の、かなり白人的な無邪気さと傲慢さを感じさせます。

2009年に出た、マシュースイートとスザンヌホフスの秀逸なカバーでも、フワフワしたワクワク感が増幅されています。

圧倒的に男臭いデッドに比して、スザンヌのキュートな歌声は、陽気なヤンキー娘の放逸なセクシャリティーを連想させ、別種のポップさを付け加えています。

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