ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 『Also sprach Zarathustra』(Richard Georg Strauss) 58Dec

日本語タイトルは『ツァラトゥストラはかく語りき』、1896年にフランクフルトにて初演された、9部からなる交響曲です。そのうちの「導入部」が1968年の映画『2001年宇宙の旅』に使われています。

密度の高い抽象性にて人間の本質性を揺さぶられる不朽の名作は、SF映画にもかかわらず、太古の猿人のシーンから幕開けされます。

「宇宙」という広い空間の距離を描くのに、人類創生以前からの長い時間軸と、その転換ポイントを描ききることが必然だったのでしょう。

最近サウンドトラック盤を購入し、毎日のように聴いていますが、意外にも映像喚起力は低く、クラシックの名曲や初期っぽいシンセサイザーを使った楽曲が、静かに流れゆく時間軸は、音源単体にて、映像とは別モノの作品として成立しています。