第39回 「ビッグサイトへの長~い道のり その3」
<前回までのあらすじ>
長距離走の経験のない私は、期せずして東京マラソンに当選。仕方なく始めた練習は日に日にハードにエスカレートしていく。
そんな練習に耐えられなくなった私は、朝一番の東へと向かう列車に飛び乗ったのだった。
華やいだ街で自分へのご褒美をさがすつもりだ。。。。。。。。。。
またしても新年早々適当なことを書いてしまいました。
とは言っても、1月も半ばを過ぎ、もはや新年感は薄れてしまいましたね。
今更、お正月の話などしてもしようがないとは思いつつ、私が2012年をどのように迎えたのか、簡単に披露したいと思います。(けっしてネタがないわけではありません(汗))
◇2011年12月31日深夜◇
白組勝利の紅白歌会戦を見たあとで、初詣に出発。
深夜の初詣特別列車に乗って、隣町の鳳雛神社へ行くのがここ数年の恒例となっている。
ところが駅に着いてみると、駅舎は初詣の人たちで溢れかえっている。
どうやら線路に障害が発生して復旧のめどがたたないらしい。
駅にいてもしょうがないので、隣駅までトレーニングがてらジョギングをすることにした。
走り始めて10分くらいのところに大きな沼があって、そのほとりで泣いている少年がいる。
「坊や、どうしたの?」
「ぼくはたろうといいます・・・お母さんが、村の掟をやぶってイワナ3匹食べて・・・になっちゃったんです・・・」①
「たろう?」
太郎というと、子供たちにいじめられていたカメを助けて、乙姫さまのいる例のお城②にいって数百年を過ごしたあの遊び人を思い出した・・・。
それはさておき初詣に行かなきゃ。(放っておいていいのか、たろうを)
もう年が明けちゃう、と腕時計を見ると、なんと秒針が止まっている!
時計のつまみ(なんていうんだっけ?③)が何かの加減で飛び出して、11時55分で止まっている。
きっと、もう2012年になっているに違いない。カウントダウンし損ねて、テンションダウン。
しかも神社まではまだ遠い。
こんなとき銀のなんとかの背に乗って④行くことができたら、あっという間に着くのに。
見た目と違って、けっこう人に馴れるらしく、親しくなると背中に人を乗せるのもやぶさかではないらしい。
でも馴れたからといっても、ノドの辺りに一つだけある逆向きの鱗に触れると、我を忘れて激怒するということだ⑤。気をつけなきゃ。
しかし、それをどうやって見つければいいのか?
(稀少な生きもので、輸出入もワシントン条約で禁止されているらしいし)
そういえば、以前ある本で読んだことを思いだした。
水晶玉の中に星が1つ乃至7つ光る「ほにゃらら⑥ボール」を7個集めればいいらしいのだ。
その本の中でブルマという少女が「ほにゃらら⑥レーダー」という機器で世界中からそのボールを7個見つけて、呼び出していたのだ⑦。
しかも現れると、願い事を叶えてくれるらしい。
もし、今、目の前に現れたら神社まで送り届けてもらおう。
願い事と言えば、町内の忘年会で第七班の会計係のおじさんから聞いた話を思いだした。
先日、そのおじさん夫婦がいつも通りの質素な夕食を取っていたときのこと。
その日、蚤の市で買ってきた急須でお茶を注ごうとして偶然擦ったら、急須の口から煙がモクモクとわき出て、煙の中から変な人が現れた。
その変な人、曰く「3つの願いをかなえてあげよう」
会計係のおじさんは、ちょうど野菜ばかりの食事に辟易としていたところだったので、思わず
「ソーセージを山盛り食べたいな」とつぶやいた。
すると目の前にアツアツのソーセージが山盛り現れた。
それを見たおばさんは「あんたバカじゃないの。そんなつまらないお願いをして。ソーセージなんかあんたの鼻にでもひっつけばいいのよ!」
その途端、一本のアツアツのソーセージがおじさんの鼻にくっついた。
おじさん、たまらず「あっちぃぃ!このソーセージを取ってくれ!!」
ポロンとソーセージが鼻から取れると、「3つの願いを叶えたぞ」と言って、変な人と急須は消えてしまいました。
その後のおじさん夫婦の座右の銘は「夢は見るものじゃなく叶えるもの、願い事はメモをして常に身につけるもの」となったそうです。
なんかどこかで聞いたことのある小咄のような気もしますが・・・。
小咄と言えば、なんの脈絡もなく「夕立屋」という話を思い出しました。
暑い盛りのこと
連日の猛暑で、ひと雨欲しいなぁ、と思っていたところに、
「ゆうだちー、ゆうだちーー」の掛け声とともに現れた夕立屋。
「夕立屋ってぇと、雨のひとつも降らせられるのかい?」
「はい、それが商売でございまして」
「じゃあ、ひと雨頼むよ。いくら?」
「ほんの志で結構でございます」
「じゃあ、千円分頼むよ」
夕立屋がなにやら呪文を唱えると、いままでの晴れ空が、一転にわかに掻き曇り、
ザーッと威勢よく棒のような雨が降って参りました。
「へぇー、大したもんだね。人間業(わざ)じゃないね。」
「はい、実はわたしは・・・でございます」⑧
「なるほど。合点がいったよ。でも、この商売は夏はいいけど、冬はどうするんだい?」
「はい、冬は倅(せがれ)の炬燵(こたつ)を寄越します」
こんな小咄を思い出してる場合じゃなかった。
初詣に向かう途中でした。
また、しばらく進むと川にぶつかった。
コハク川である。
この川にはニギハヤミコハクヌシ⑨という神様がいると人に聞いたことがある。
そう言えばアースシーのテルー⑩もニギハヤミコハクヌシの仲間らしい。
(なんだかよくわからないひとはジブリの人に聞いてみてください)
コハク川を越えて、間もなく鳳雛神社というところで、激しく破壊されている線路を発見。
これが原因で初詣列車が止まったらしい。
誰だかわからないけど迷惑なことをするもんだ。
その現場は警察官や鉄道の保線区の人や初詣に来た野次馬でごった返し、みんな口々になにか叫んでいました。
「八岐大蛇を見た」
「いや、そんなに頭は多くない。あれはキングギドラだ」⑪
「違うムウ帝国の守護獣マンダだ」⑫
「ワイルド星人が送り込んだロボットだ」⑬
「飛ぶ車がひっくり返ったんだ」⑭
「角に行って、仰向けだ」⑮
混乱が半端じゃないので、この場はスルーして、ようやく鳳雛神社までこぎ着けました。
境内の正面には、目玉が描かれていない恐ろしい生きものを描いた有名な大屏
風があるのです。
この屏風の生きものに願い事をするというのが、鳳雛神社の初詣なのですが、なんと驚いたことに、今、目の前にある屏風には何も描かれていません。
どうやら何者かが、恐ろしい生きものに目玉を書き入れたらしいのです。
その結果、屏風絵に命が吹き込まれたらしく、恐ろしい生きものは屏風から抜け出したらしいのです。⑯
きっとそれが、線路を・・・
というところで目が覚めました。2012年1月2日のことです。
始めにあった勢いが後半は衰えて蛇の尾のようです。⑰
(などと尤もらしく書いたところで、しょうもない夢落ちには変わりません)
気を取り直して(?)、今年の目標は東京マラソン完走です。
そのためにはまだまだトレーニング不足です。
昨年サボりすぎたために時間も不足気味です。
スポーツクラブは入会だけしました。
「BORNTORUN走るために生まれた」は読み終えていません。
新年早々ダメ人間です。
でも、この期に及んでメンタルで負けるわけにはいきません。
東京マラソンのイメージを掴むためにTSUTAYAでDVDを借りてきました。
『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』です。
何かを掴めたような気がします。(ウソです)
そんなこんなで、本年も連載打ち切りとなる日まで頑張る所存ですので、何卒よろしくお付き合い願います。
(おまけ)
東京マラソン関連出費メモ
スポーツクラブ入会金0円(入会金無料キャンペーン中)
TSUTAYAレンタル100円
合計100円
累計44,271円
【蛇足】
問題 文中の①~⑰に関係の深い文言を下記語群から選択してください。
<語群>
龍(たつ)・独眼竜正宗・ロボット恐竜ナース・ドラゴン・ゲド戦記・諸葛孔明・リューズ(竜頭)・龍の子たろう・北辰一刀流・中島みゆき・竜馬・竜宮城・逆鱗・三頭竜・千と千尋の神隠し・画竜点睛・シェンロン・藤純子・海底軍艦・ブルース リー・竜王・竜頭蛇尾
※なお、本問題はセンター試験とは一切関係がありません。内容に誤りがあっても再試験は行いません。あしからず。
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