第73回 10月の三つの反省

11月ということは、今年も残り2か月ということですね。
中年になって以降、年々、一年の経過スピードが増しているような気がします。
(いつ、どのタイミングで中年になったかということの説明は今日は省かせていただきますが)

本当に急かされ感が半端ないです。
情報化社会は、情報デバイスの進化と普及に伴い情報リーチを伸ばすと同時に伝播速度も加速度的に増加させてきました。一説には、情報は18か月ごとに量も速度も2倍になると言われています(とそれっぽいウソを書いてみました)。

その結果、今まで知らなかったことも、知らなくてよかったことも、知りたくなかったこともスピードに乗って波状攻撃を仕掛けてきます。

11月1日に、近所の商業施設でクリスマスツリーの点灯式がおこなわれました。

10月31日までは、(個人的に)知らなくてもよかったこと第一位のハロウィン押しだったのに、一夜明けると、もうクリスマスです。

たぶん、この後は、12月26日からお正月、1月8日からバレンタインデー(これも知らなくてもよかった)、2月15日からはホワイトデー(もっとも知りたくなかった)、3月15日から花祭りと続くのでしょう。
(花祭りについての異論は認めます。でもキリスト様の誕生日を祝うのなら、お釈迦様の誕生日もね。。。)

それはさておき、年度単位で活動している会社ならば、年末は第3四半期の終わりなのですが、個人であれば、年末は年初に立てた目標の期限であります。

「まだ2か月もある」なのか、「もう2か月しかない」なのか、たぶん人それぞれでしょう。

私は、というと、「あと2か月では・・・」という心境ですが、特定個人情報なので割愛させていただきます。

ただ、目標達成のためには、上がり3ハロン、じゃなくて上がり3か月は重要なのです。

その「上がり3か月」のスタートの10月のこと、北海道の知人が経営する会社の社員旅行に特別に参加させてもらいました。

北海道では秋の社員旅行を「かんぷう会」と呼びます。
「かんぷう」をあえて平仮名で書いてみました。どんな漢字が当てはまるか想像してみてください。

「完封」と想像した方、日本シリーズ第5戦で、鷹が虎を完封しましたが、正解ではありません。

「寒風」と想像した方、北海道はこの時期、寒い風が吹いていますので、ほとんど当たってますが、不正解です。

正解は「観楓」です。楓などの紅葉を観つつ親睦を深めるのが、北海道の「観楓会」なのです。

観楓会ということで、当然、行先は山方面、スキーなどのアウトドアで有名なニセコに行きました。

ニセコは近年、外国人(特にオーストラリア人)に大人気で、町には日本人よりも外国人のほうが多く、町の公用語も英語です(ウソです)。

ニセコに着いたら、まず温泉です。厳選された源泉かけ流しの温泉で心身ともにリラックスして、このままここで暮らすのもいいかなと考えるのも束の間、宴会の時間ということで、とっとと酒宴に向かいます(現金なものです)。

宴会が始まって、驚いたのが、乾杯のお酒が種々雑多だということです。

昭和中期生まれの私は、先輩から最初の一杯は何も言わずにビールと教えられてきました(その先輩は、三船さんという人から「男は黙ってサッポロビール」と教わったらしいです)。

しかし、最近の若者は、そんな昔気質の先輩と飲む機会もないのか、あるいは戦後民主主義の衰退か、あるいはゆとり教育の成果なのか、乾杯の飲み物選びから個性を発揮しているのでした。

気がつけば、宴会の参加者の中で私が一番年上でした。
ここは人生の先輩として正統派宴会の手本を見せるべきか少々迷ったのですが、ビールを強要して楽しい雰囲気を壊すのはまずいので(しかも特別参加の分際で)、ビールに合うおつまみで餌付けしながら、穏便にビール教育をすることにしました。(これを我々の業界では「餌付けーション」と呼んでいます)

しかし、若者にビールを勧めるのは容易ではありません。バターピーナッツや柿の種などのおつまみでは誰もビールを連想しないようで、このおつまみでビールへのモチベーションをあげようとしても、まったく役に立たないのでした。(これを我々の業界では「絵に描いた餅べーション」と呼んでいます)

冷静に考えると、ビール大好きな中年とサワーやカクテル系が好きな若者の間には、根本的に世代の格差があるのです。(これを我々の業界では「格差酒会」と呼んでいます)

そんなことやあんなことを考えながらお酒を飲んでいると、酔いがまわって、いい気分になって、細かいことはどうでもよくなってきました。(これを我々の業界では、もうどうでもいいや。。。)

そんな宴会もお開きとなり、場所を変えて二次会です。

二次会はみんなで集まって部屋呑み、と思いきや、Wiiの「マリオカート」大会でした。

ここはファミコンの「F1」や「ファミリーサーキット」でならした腕の見せ所です。

張り切って参加してみたものの、自動車レースのゲームとは言え、Wiiの「マリオカート」はファミコンのものとは全く別物です。

何しろコントローラーのボタンの数が違う。昔は指2本で出来たのに、今は全部の指でも操作しきれない。車の操作だけじゃなく、各種アイテムを入手して、うまく使っていかなければいけない。スピード感が全く違う。。。

早々にゲームは諦めてお酒をたくさんいただきました。

当然、翌日は二日酔いでした。

ニセコから室蘭へ船釣りに行くというメンバーに混ぜてもらいましたが、二日酔いでは船に酔うかもしれません。

船酔い防止には、迎え酒がいいかもしれないと考えながら、車で室蘭に向かいましたが、船に酔う前に、車に酔いました。

船釣りのメンバーを見送って、車の中で横になっていたら、姿勢が悪かったのか、右側の背中の筋肉が攣りました。
船釣りメンバーはサバをたくさん釣りました。(小学生の作文か)

というわけで(?)、楽しいひとときの経過スピードはあっという間で、観楓会もあっという間に終わってしまいました。

そして、帰宅してから、観楓会だったのに紅葉を全く見ていないことに気がついたのでした。

「上がり3か月」のスタートがこんなのだから、あと2か月では・・・。

次回、「11月の七つの反省」につづく。。。

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