第116回 水の泡の話

5月になりましたが、相変わらず状況は一進一退、むしろ悪くなっているような。。。
今回は先日観たマラソンのテスト大会について書いてみようと思いましたが、寂しい内容になりそうなので、マラソンのことは忘れて、パーッと明るくなるような話題を徒然なるままに書いてみます。

■某メーカーが4月上旬に販売を開始した「生ジョッキ缶」をご存じでしょうか。
従来の缶ビールと違って、プルタブを引くと缶の上の部分が丸く全開して、きめ細かな泡が自然と湧き上がり、グラスに注がれたビールのようになるというもの。
発売と同時に話題となって、コンビニでもスーパーでもすぐに売り切れ、生産が追いつかず販売停止になってしまったという凄いビールです。
酒が目の敵にされているこの時期に、まことに景気のいい明るい話題ですね。

ネット上では「生ジョッキ缶」の動画がいくつもアップされてます。
開缶した時の泡が出る様子だったり、飲み終わった缶に別な瓶ビールを注いできめ細かな泡が出る様子だったり。
変わったところでは、空いた缶を飯盒(はんごう)代わりにご飯を炊く動画なんてのもあります。
缶の口の部分が加工されていて、ケガをする心配がないので緊急時に利用できるのでは?とのことらしいですが。
(現実問題としてビールの空き缶でご飯を炊くでしょうかね。なお、缶の内面の特殊な加工が炊飯時になんらかの影響があるかもしれないので「個人の責任で」という注意コメントもあり)

で、私も流行に乗り遅れないように、話題になると同時にコンビニやスーパーを探し歩き、やっとのことで二缶手に入れました。
よーく冷やしてから、一缶開けてみました。
開缶直後、コップのように丸く開いた口から見えるビールの表面に泡はありません。
でも、みるみるうちに内部から細かい泡が湧き立って、あっと言う間にジョッキの生ビールのような泡が盛り上がりました。
これは素敵だ!
早速、ゴキュっとのむんでみました。

うーん・・・発想はいいんですが・・・味が・・・。
人それぞれに好みって、ありますよね。。。
それにこんな風に全開してしまうと、歩きながらとか、電車の中でとか、飲めないですね。こぼしちゃいそうです。
(もちろん宣言中の歩き呑みや電車呑みは禁止です。って、宣言に関係ないか・・・)
というわけで、もう一缶は冷蔵庫に眠っています。
なんか個人的なビールの趣味の問題で寂しい話になってしまいました。
けっして「生ジョッキ缶」には罪はありません!

■ビールと言えば、十数年前、初めて上海に行った時のことを思い出しました。
中国ではビールは常温で呑むという噂がありました(実際、そうなんですが)。
暑い上海でも常温のビールを呑まされたら大変だなという意識があって、食堂に入ったところ、店の中に瓶ビールが入った冷蔵ショーケースが見えました。
冷たいビールが呑みたい一心でお店の人に日本語で「瓶ビール」と言いながら、ケースを指さしました。
当然、日本語は通じません。
でも中国人の店員さんは「ピージュ?瓶だ?」と聞いてきます。
「そう、そう。(ピージュって、なんかわからないけど)瓶だ!」(言外には、缶じゃないよ、という意味もこめてます)
ビールを指差しながら「瓶だ!」と叫んでいると、店員さんはニッコリしながら、瓶ビールとコップを運んで来てくれました。
キンキンではないけれど、冷えたビールにありつくことができたのでした。
めでたし、めでたし。

あ、この話のオチですが、中国語で「ピージュ」は「ビール」で、「ビンダ」は「冷たい」っていう意味なんですね。
偶然とはいえ、困難な状況において、強い願望が道を切り開いたというお話です(そんな大層な話かいな?)。
・・・でも、この話は過去にコラムで書いたことがあるかも。
年齢とともに記憶も衰えてきました。そう思ったら寂しいですね。

■ビールと言えば(あれ、また繰り返してる?)、昨年から工場直送ビールのサービスが話題になってますね(話題にしてるのはビール好きの人だけですが)。
会員制のサービスで特製ホームサーバと定期的な生ビールの配送で手軽に自宅で新鮮なビールが楽しめるというものです。
希望者は先着順でこのサービスを利用できるはずなのですが、人気があるようで、なかなか契約ができないみたいです。
実際、私も申し込みをしてからビールが飲めるまで8ヶ月かかりました。
(昨年の4月に申し込んで、12月にようやく飲めたのでした)

特製サーバは、テーブルに載るサイズの白に近いクリーム色で、R2D2みたいな形状をしていて、なんとも可愛らしいのです。

契約コースは、月4L(1Lのボトルが4本)と月8L(1Lのボトルが8本)の2コースあって、私は月4Lコースを選びました。
1本が1Lもあるんですから、4Lは妥当な選択かなと思っていたのですが、ビールが届いてみると、この1L樽は意外と小さいのです。
パイナップルほどの大きさで片手で持てちゃいます。

1Lも吞めないよ、って思っていたのに、サーバからグラスに注ぎながら呑んでみると、あっという間になくなりました。
冷静に考えると、毎日355mlのコロナビールを3本呑んでるので、吞めて当然でした・・・。
辛抱強く8ヶ月も樽生ビールを待っていたのに、コロナ(ビール)に負けたみたいで、なんか寂しい・・・。

※今回は泡の水(ビール)で明るく盛り上げようと苦心しましたが、酒類の提供禁止(?)とのことでまったく盛り上がらず。
すべて水の泡でした。。。
(自粛疲れで話にキレもないし、コクもないですね。すみません)