ソウルフル。黒人のファンクなリズム感。ふくよかな和音のフィーリング。
ローラニーロは、最もソウルフルな白人女性シンガーの一人であり、その先駆者です。

「クイーン・オブ・ソウル」の称号を戴き、当時絶頂期だったアレサフランクリンが彼女のお手本だったのかな、とも想像できますが、結果的にローラは、アレサとは全く異なる、極めて白人的なロックの範疇に着地したのでした。

ここにも音楽に於ける人種間のせめぎあいが、正に60年代の米国にて、キラキラと輝いていたのです。しかるに、黒人のフィーリングに憧れながらも、ホンモノにはなれない非黒人という構図。

白人的な抽象の深層と黒いダイナミズムをエキセントリックに往還する彼女のヴォーカルは、果たしてポップなテイストを纏う方向には傾かず、難解な晦渋世界をさまよいます。

後半、「surry」という微妙な発音の造語が、絶妙な伸長のもと繰り返し歌われます。ローラと、恐らくは黒人女性のバックコーラスは、すこぶる黒いフィーリングを発散しますが、実は若干20歳のローラの声色には、本人の本意とは裏腹に、若くエレガントに恵まれた、白人女性の貴顕なセクシャリティがたっぷりと包含されてしまっています。