Cornelius 「Perfect Rainbow」 94Trattoria

フリッパーズギター解散後、94年のコーネリアスの1stアルバム、「The First Question Award」4曲目。

前年に出た小沢健二の1stが地味+文学的な仕上がりで、意外だったのに比べ、「First Question Award」はスタイルカウンシル(TSC)をうまくパクッたポップ全開アルバムでした。

南北米大陸の音楽、ソウル・ボサノバ等を薄くコーティングし、抜群のソングライティングとセックスアピールで、見事に骨太ポップにしたTSCを、更に(再)引用しているのが、本盤。
2重に引用しているのところがなんとも和風テイストを醸しています。

オリジネーターの作品が必ず持つ「音が鳴っていない部分に隠されたふくよかさ」が全く無い。無機質度が異常に高い、極めて高度な洗練を獲得している。
 
サウンドは、アコギがザクザク掻き均される間隙を、オルガンが響き、手数の多いドラムが切れ味良く鳴る、といった感じの「渋谷系」です。
 
「Perfect Rainbow」はアルバム中盤にさしかかるところで勢いをつける佳曲。スティーヴィーワンダー風のハーモニカが、大幅にフィーチャー且つ、連打。アコギのザクザクも小気味良くひっかりながら、流れます。