Yellow Magic Orchestra 「Solid State Survivor」(Chris Mosdell-高橋ユキヒロ)

2ndアルバムのタイトルチューン。しかし、この頃のYMOは本当に素晴らしい。
①に曲が素晴らしい。②にアレンジが素晴らしい。③に演奏が素晴らしい。
①②③という当たり前のこと、基本的なことの水準が極めて高い。実力を持つ人たちがノッてる時期に化学反応を起こし、絶頂に達し、手のつけられない程にハイレベルな仕事をしているという稀有な出来事でしょう。

細野・坂本という超大御所の足跡のなかでもいちばんポップに弾けていたのがこのYMO期です。
オリエンタル、シンセ、ニューウェイブ、ファンク-ディスコといったYMOを構成する様々な要素を最後にポップコーティングしているのが高橋ユキヒロ(幸宏)でしょう。

細野氏や坂本氏が単独で実力を発揮すると、要素-素材はアカデミックに突出し、研ぎ澄まされて、高度過ぎる音楽になっていきます。

ユキヒロ氏のヘニョヘニョのヴォーカル。英国ポップ風メロディ。切れ味バツグンにタイトなのにワイルドさもキッチリもっているドラミング。外人ぽい顔と紳士風だけどインチキ臭い物腰。

2人の音楽の天才がどうしても醸してしまう「偉そう」感・「真面目さ」感・「整った」感を叩き潰している。
YMOのテクノポップを最終的に「ロック」にしているのが高橋ユキヒロです。