James Taylor「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」 72(Taylor)

70年代初頭のアメリカ。「シンガーソングライター」の穏やかで優しい「癒し系」のアコースティックな曲がはやりましたが、その代表ともいえるジェイムステイラーの72年のアルバム『One Man Dog』収録。

アルバムは全18曲ですが、殆ど3分以下の短い曲が、メドレーのように柔らかく連なっていて、いつのまにか、聴き終わってしまいます。
程よくアコースティックで少しファンキー。各楽器の音の粒と流れが、絶妙なアンサンブルを紡ぎます。あっさりとしていながら、奥深い味わいのかつおだしか。

「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」はそんなスムースな流れの中盤に位置する8曲目。やはりいつのまにか始まり、いつのまにか終わりますが、そのまろやかさは、アルバム中の頂点。先月紹介した加藤和彦にも共通する、強い大人の優しさです。