Michael Jackson 「P.Y.T」 (Ingram/Jones) 82EPIC

マイケルジャクソン20代の渾身の傑作『スリラー』。
大ヒットシングルの連打の後に流れる8曲目(アナログだとB面3曲目)。そんな地味な場所にこんな名曲が!まだ残ってるところが渾身の傑作たる所以です。

ハンドクラップを核にした、グルービーなブラコン。82年よりもちょっと前のテイストか。真っ黒なファンクネスではなく、マイケルらしいポップなファンキー。白人にも受け入れられるし、日本人にもちょうどいい「黒さ」。シックやブラザーズジョンソンの流れを汲むディスコ味も継承してます。

但し、主役はやっぱりマイケルのヴォーカル。
ジャクソンファイブ時代の子供ヴォイスの「太さ」は完全に失われ、繊細でか細い「洗練」された声に声変わりしちゃってます。
この弱い声が、人を引き付ける魅力をグングン発散しています。テクニック面では、声を発したり、切ったりするタイミングが絶妙。リズムの解釈が天才です。

どうも最近は存在感が大きくなりすぎたバケモノみたいですが、このころのマイケルはヴォーカリスト・ミュージシャンとして超一級です。