Bonnie Raitt 「Nothing Seems To Matter」(Raitt) 72Warner Bros

30年以上、着実に活動を続ける渋い姉御ギタリスト、ボニーレイット。
まだ若いころ(それでも声に貫禄はあり)の2ndアルバム『Give It Up』2曲目。

とにかくグレイトなギターアルバムです。グワングワン轟音でもなく、清涼感あふれる拡がりサウンドでもない。コリコリです。木の幹。軟骨。音の粒が際立っている。無駄で大げさな残響がいっさいなく、気持ちよく音が途切れる。アコースティックもエレクトリックもそうです。

レイット自身もウッドストックのギタリスト達も、変なハッタリがない、プレイ。ギターという楽器の本質を味わいながら弾いてます。

決して緻密なサウンドプロダクションではなく、ザックリと「いい」加減にルーズな音の粒が、バキバキと琴線にふれるところに着地しています。

ちょっとオルタナティブな70年代アメリカンロックの大傑作です。