Bind Faith 「Presence Of The Lord」 69Polydor (Clapton)

先月に引き続きクラプトンです。
当時スーパーグループと騒がれたスティーブウィンウッドとのコラボレーション、「ブラインドフェイス」。
フォーク、R&B、ブルースといったアメリカネイティブの音楽をグングン吸収し、相対化し、血肉化していた60年代ブリティッシュロックのトップランナー2人が、60年代の終わりに作り上げた集大成。2人の才能が溶け合っているさまは絶品です。

トラフィックの回、デレク&ドミノスの回でも書きましたが、2人とも「誠実な」天才で、「誠実」に音楽の革新と高い完成度を目指しているので、ハッタリのない、真っ直ぐな仕上がりとなっています。

バンド唯一のアルバムの、唯一のクラプトン作品が「Presence Of The Lord」。
まずウィンウッドのヴォーカル。天性ですね。独特の金属質が、柔らかさも併せ持つ素晴らしい声。対するクラプトンのギターは、未だ獰猛さを隠し切っていなく、応酬。

ロック自身も相対化の対象となり、自己破壊と倒錯が進化する70年代への突入直前、最後の「直球」です。