連日のプラスの気温で雪解けが進み、ようやく北の街も春めいてきました。
そんな、少しウキウキするような気分と裏腹に、きょうは最近あった出来事を報告させていただきます。
なんのオチもなく、むしろセンチメンタル、あるいは辛気くさいお話になるかもしれません。
なので景気のよくない話が嫌いな方はスキップされることをお勧めします。

1月のはじめにアメリカ在住の同期の女性から久しぶりに帰郷するので、高校時代の友人たちと会いたいとの連絡がきました。
なぜ私に連絡がきたかというと、私が同期の非公式のメーリングリストの管理者だったからです。
私は、普通にメーリングリストに書き込んでは?と伝えましたが、彼女的にはメーリングリストのメンバー全員と親しいわけではないので、誰が集まるか心配だというのです。
では会いたい友人を教えてくれたら調整するよ、と返信をしましたが、彼女からしばらく回答はありませんでした。
ところが何の前触れもなく、彼女は同期のメーリングリストに、2月下旬に帰国するので、お時間の合う方とお会いしたいと書き込みをしたのでした。
そこに反応したのが、北海道東部在住の女性でした。
この春、結婚をして沖縄の離島に移住するので自分もこの機会にみんなに会いたい、というのです。
(実は、彼女は2度の結婚経験者なのです。でも、けっして「後妻業」を営んでいるわけではありません)

一時帰国者の呼びかけに3度目の結婚&離島への移住予定者の反応。
これでメーリングリストが盛り上がらない訳がありません。
多くの参加希望者が名乗りをあげましたが、帰国者と移住者の都合で平日夕刻の集まりとなったため、最終的に参加人数は15名となりました。
男女の比率はほぼ半々。

2月某日 プチ同期会当日。
札幌市内の某居酒屋に集う中年(というかもはや初老)の男女15名。
お互いなんだかぎこちない。
それもそのはずで、十年程前に高校卒業三十年の同窓会で会って以来の面々、中には高校卒業以来初めて会う同期もいる。
名前と顔の記憶が一致しない。。。
気がつけばアラカン(嵐寛寿郎のことじゃないですよ。around還暦、つまりほぼ還暦です)、詰め襟・セーラー服の面影など微塵もありません。
端から見ると、ふくよかで濃いめの化粧をした女性たちと薄毛あるいは白髪(またはその両方)でお腹の出た男性たちの集まりです。

こんな雰囲気を解消してくれるのは、お酒しかありません。
時空を乗り越えてきた自己紹介はさておいて、まずは乾杯、そして会食。
みんなでモツ鍋をつつきます。
「なんで札幌まで来てモツ鍋なんだよ」東京から来たA君がぼそっとつぶやく。
「私なんかアメリカからきたのに。。石狩鍋がよかったなぁ」とMs.アメリカ。
「ビールはモルツかよ。サッポロじゃないのか?」白髪を振り乱したB君が嘆く。
「今、北海道では九州へのリスペクトが半端ないんだよ。B君、黒霧島呑む?」と苦し紛れの幹事、オーサコ君。

酒は百薬の長、効き目は絶大です。
老眼で霞んでいた視界もなぜかクッキリ。お互いの顔が高校時代の記憶と一致してきます。
準備のいい女性が、高校のアルバムや修学旅行の写真を持ち出してくると、
「ああ、あのときは」「そうそう、このあと」「あ、だめっ、その写真」などなど大いに盛り上がる。

そして、Ms.アメリカは、父親の一周忌で一時帰国したと近況を報告し、「もう姉しかいないので、しばらく日本に来ないと思う」。
そこで皆、今度はお互いの親のことや介護のことでまたマイナス方向に盛り上がり、やがてこの世代ならではの、膝や肩、腰の痛み自慢と意見交換に時間を費やす。

「最近は孫がかわいくて」というCさん。
「えーっ、孫ができたの?うちは長男がようやく中学生」と晩婚のD君がつぶやく。
3度目の結婚をした女性曰く「私は残りの人生を沖縄で過ごしたいと思っていたの、そうしたら近くに同じ考えの男性がいたの」
それで結婚したという。
(そんな簡単に?やっぱり後妻業じゃね?)と誰もが心に思い浮かべたのを見透かすように3度婚女性は言った。
「今まで3人とも年下なのよ。キャンディーズのせいね。年下しか興味ないの」

すっかり酔ったEさんが私の隣にきた。
「タコくんがつけてくれたあだ名のおかげで」
(え、私がつけたあだ名?)
「前向きに生きてこれたわ」
(??)
「5年前に旦那と別れて、身軽になったので世界一周したの。ありがとう」
(どういうことだ?)
「ねえ、覚えてる?タコくんがつけたあだ名」
(・・・)
「ちょ、ちょっとお手洗いに」とその場から移動する。

今度はMs.アメリカが私の隣にきた。
「今回実家の整理をしていたら、高校時代の写真や手紙が出てきたの。タコくんからの手紙もあったわ」
(え、私が出した手紙?)
「年賀状かな?」と内心の焦りを隠す私。
「うふふ。覚えてないの?」
(わ、新手の恐喝か、特殊詐欺か?)
「ちょ、ちょっとお手洗いに」とその場から移動する。

ずっと隅の席にいるひとりの男性が思い出せない。
同じクラスになったことがなくても小さな学校だったので、なんとなく見知っているはずなのだが、手がかりがない。
どうやら他のみんなも同じだったらしく、とうとう幹事のオーサコ君が声をかけた。
「えーと、卒業の時は何組だっけ?」
「・・・」
「自己紹介してもらっていい?」とさらに幹事。
「・・・、高校2年の7月に転校してきたMです。夏休み中に親の都合でまた転校したので、クラスは覚えてないです」
「えっ」一同あっけにとられていると、
「ちょ、ちょっとお手洗いに」とその場から消えた。

唐突に東京から来たA君が言った。
「俺たち、昭和と平成、それぞれ30年ずつ生きてきたね。新しい元号で30年生きると、なんとなくバランスいいんじゃね?」

あと30年?
想像ができない。。。

また同期会があるだろうか?
ここからあと何年か先に。。。

とりあえず何も考えずに、ぼーっと生きてく。