第138回 へびの皮をめぐる冒険

2025年になりました。
へび年です。
※このAIの時代に干支の話はいかがなものかというご意見もございますが、にょろっと進めてまいります。

前回のへび年は2013年で、その前は21世紀の始まりの2001年でした。
(21世紀も4分の1にたどり着いたのですね。月日が経つのは早いものです)
そういえば、私の祖母が健在だったへび年に、祖母からへびの皮(脱皮した抜け殻)を貰った記憶があります。
たぶん1977年のことでしょう。いまから48年前ですね。。。

もっともっと、遡っていくと「蒸し米(むしご(645)め)炊いて大化の改新」でお馴染みの645年もへび年です。
こんな昔まで遡ったのは、最近の歴史の教科書では、645年は「大化の改新」ではなく、
「乙巳(いっし)の変」という(らしい)ことを最近のテレビ番組で知ったからです。

※余談ですが、645年が「乙巳の変」で、そこから数年に渡って行われた改革が「大化の改新」らしいです。

疑問1.「乙巳(いっし)」って、何だ?
「乙巳」は、陰陽五行説に基づくもので、十干(甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸)と
十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)を組み合わせたものの一つで「きのと み」とも読みます。
※WikipediaやchatGPTからの適当な引用です。

陰陽五行説では、へび年は、己巳(つちのと み)、辛巳(かのと み)、癸巳(みずのと み)、乙巳(きのと み)、丁巳(ひのと み)の
5種類(?)で、12年毎に巡ってきます(干支なので)。
さらにそれぞれは60年周期で繰り返されていきます(還暦なので)。
そして、645年の1380年後(60年×23)である2025年は「乙巳(いっし)」なのです。
(変革はあっても、「変」なことがなければいいですね)

疑問2.へび年はなんで巳(み)年なの?
広辞苑によると、「巳(み)」は「へみ(蛇)」の略らしいです。
「へ」を略して「み」だけ残すというのは、大胆な決断です。
ちなみに「へみ」は、広辞苑によると、「へびの古称」とのことです(ざっくりしてます)。

この説に対抗したのでしょうか、五代目古今亭志ん生師匠はへびは元々「へ」と呼ばれていたと証言(?)しています。
ちょっと長いですが、その口演の一部を引用してみましょう。

「ヘビなんてぇのはね、昔はヘビって言わなかったんだぞ。あれァなァ、ヘと言ったんだ。
なんだか尻っぽみたいな……なんだか尻っぽばかりで、頭と尻っぽだけの虫なんだから、なんて虫だろうなァなんて言ってると、
こんなものはヘみたいなもんだったからヘって言ってたんだぞ。『ヘが行く、ヘが行く』って。
しまいにビーとなって、あれ、ヘビっていう……」(「饅頭こわい」より)

疑問3.なぜ蛇は虫へんなの?
志ん生師匠はへびのことを「虫」と言ってますね。
たしかに漢字の「蛇」は虫へんです(分類される「爬虫類」にも虫はありますね)。
漢字源によると、「虫」の漢字の成り立ちはへびの象形からということで、「虫」は「まむし」のこととあります。
というわけで、虫は蛇なので、蛇は虫なのです(自同律の不快)。

疑問4.なぜへびと女性の親和性が高いの?(唐突な疑問)
へび革のバッグやシューズは女性のファッションアイテムとして好まれてます(よね?)。
だからへびと女性の親和性は高いはずです(という独断)。
そして、それはむかしむかし、地球で最初の女性がヘびに唆されて知恵の実を食べたからだと思われます。
(その女性の言葉に右往左往するのが男性なのは昔から変わりません)

世界三大美女のひとりクレオパトラはコブラに噛まれて自害したと言われてます。
なぜ、コブラかと言うとへびの毒の特性からの推測です。
毒蛇には、クサリヘビ科とコブラ科の種類があるようで、クサリヘビ科にはマムシ、ハブ、ガラガラヘビなどがいて、
コブラ科には文字通りコブラやウミヘビなどがいる(とのこと)。
クサリヘビ科の毒は出血作用があり皮膚がただれたり、いろいろ大変なことがあるみたいですが、
コブラ科の毒は噛まれると熟睡した人のように早く安らかにあの世に行けるそうです。

というわけで、後世に世界三大美女と言われるために綺麗な姿で最期を迎えたいクレオパトラとしては、当然コブラ科のへびを選んだであろうと推測されてます。
(と先日読んだ「毒」(PHP新書)という本に書いてあったことを不正確に引用しました。
なので上記に間違いがあっても、もちろん「毒」の著者には一切責任はありませんし、コブラに噛まれることも推奨してません)

日本では、漫画家の楳図かずお先生に、そのものズバリ「へび女」という恐怖漫画がありました。
(へびが出てくる恐い漫画は他にもいろいろあったような気がしますが、ほとんど正確な題名やあらすじは覚えていません)
とにかく、へび女の少女(?)は、普段は普通なのに(でも、ちょっと暗めの印象かな)、
脅す(?)相手の前で、急に口が大きく割けたり、卵を何個も丸呑みしたりします(卵アレルギーではないみたいです)。
もし相手が逃げようものなら、ズルズル滑りながら異様に速く追いかけていきます。
この漫画を読んだ夜は、お便所(昭和なので)に行けなくなるのでした。

※「へび男」もなくはないですが、なんか違和感があります。
「狼男」のほうがしっくりきますね。男は狼なのよ♪(意味が違うか)

疑問5.へびの皮をめぐる冒険って、何だ?
昔、祖母に貰ったへびの皮をしばらく財布に入れていました。
大きさは切手くらいの小さなものだったと思います。
たぶん、祖母はなんらかの手段で手に入れたへびの皮をある程度の大きさに分けて、周りの人に配っていたのだと思います。
へびは脱皮して成長していくので、その皮を財布に入れておくと、お金も成長する、つまりお金が増えてお金持ちになれる、という縁起担ぎだったのでしょう。
しばらくの間、私の財布の中にその薄っぺらな皮は存在していたはずです。
でも、いつのまにか行方不明になりました。
古くなった財布とともに捨ててしまったのか、買い物のときにお金と一緒に支払ってしまったのか。。。
結局、私はお金持ちになることもなく、今日にいたります。

あの「へびの皮」を大切にしていたら、今頃は大金持ちになっていたかもしれないな。

へび年になるたびにそんなことを思います。
でも、そんなちっちゃなことを悔やんでいてはダメですね。
今年こそは脱皮して大きく成長したいです(成長期はとっくに過ぎてますが)。

※新年早々、ニョロニョロした掴み所のないことを書いてしまいましたが、なんたってへび年は大金持ちのチャンス!!(根拠ないです)
今年もよろしくお願いいたします。