1983年。私は中学生でした。今振り返ってみれば、世の若者たちは、みんなカッコつけてました。服や車や外食に金を使い、その使い方のセンスを競っていた、というよりは、マスコミに競うように仕向けられていたのかもしれません。

リゾートを舞台とした小洒落た歌詞の音楽も多かったように思います。気だるい夏の午後、男と女がであう、みたいな。

80年代に30代だった南佳孝や来生えつこは、最も高度経済成長の恩恵を享受した世代かもしれません。

『素足の女』は、南佳孝のソングライティングが最も成熟した時期の傑作のひとつです。自身の粘っこく塩辛い声質を充分に活かした気だるいメロディーは、腕利きのスタジオミュージシャンたちの適確な演奏のもと、ゆっくりたゆたいます。

コピーライター的に印象に残る言葉をクールに並べていく来生えつこ。スムージーにリズミカルなサウンドを築く、旬のアレンジャー井上鑑の職人技。

30代にして余裕の風格のプロフェッショナルたち。現代ではなかなか成立しないコラボのカタチかもしれません。

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