2020年7月20日 / 最終更新日時 : 2020年7月20日 編集長 今月の一冊 『晴れ、時々くらげを呼ぶ 』 「来い! くらげ! 降ってこい!」 学校の屋上で小崎優子(ゆこ)は叫ぶ。入学したばかりの高校1年生。「不思議ちゃん」としてクラスでちょっと浮いている。屋上の入り口に腰掛け、宮沢賢治の『春と修羅』を読みながら、小崎が叫ぶ声 […]
2020年6月16日 / 最終更新日時 : 2020年6月16日 編集長 今月の一冊 『兄の終い』 『兄の終い』は、著者が、兄の突然の死と関わった5日間の出来事を綴ったエッセイである。特に大きな事件が起きるわけではなく(もちろん兄が突然死んでしまうということは、個人史においてはひとつの事件かもしれないが)、兄の死の「後 […]
2020年5月19日 / 最終更新日時 : 2020年5月19日 編集長 今月の一冊 『現代経済学の直感的方法』 『現代経済学の直感的方法』。ちょっと敬遠したくなるようなかたいタイトルだが、とにかく、すいすい読める。いや、ぐいぐい読まされてしまう、といったほうがいいだろうか。シンプルな例えと簡潔な言葉で、資本主義について、金利につい […]
2020年4月16日 / 最終更新日時 : 2020年4月16日 編集長 今月の一冊 『人間たちの話』 今はSFを読むのにふさわしい時期ではないか、と思っている。それは別に、SFに描かれているような未来がこれからやってくるからとか、SFで示唆される知見が今後役に立つから、というわけではなく、多くのSFが持つ「人間に対する視 […]
2020年3月19日 / 最終更新日時 : 2020年3月19日 編集長 今月の一冊 『「家庭料理」という戦場: 暮らしはデザインできるか?』 文化人類学者である著者が、戦後から現在に至るまで、さまざまな家庭料理のレシピを実際に作って考察しつつ、日本人の料理をめぐるさまざまな営みを追った本が、この『「家庭料理」という戦場:暮らしはデザインできるか? 』である。 […]
2020年2月18日 / 最終更新日時 : 2020年2月18日 編集長 今月の一冊 『だから僕は、ググらない 面白い!を生み出す妄想術』浅生鴨著/大和出版 『だから僕はググらない』は小説家として活躍しつつ、広告や他テレビ番組の企画にも携わる浅生鴨さんが書いた本である。 「はじめに」に書いてあるように、この本は、ジャンルで言えば、「発想法」や「アイデア」の本だ。一般に、それら […]
2020年1月21日 / 最終更新日時 : 2020年1月21日 編集長 今月の一冊 『哲学と宗教全史』 生命保険会社ライフネット生命の創業者で、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんが昨年著した『哲学と宗教全史』。450ページ超の大著でありながら、特にビジネスマンによく売れ、昨年、大きな話題になった本だ。 実は […]
2019年12月17日 / 最終更新日時 : 2019年12月17日 編集長 今月の一冊 『八本目の槍』 今年ももう年末。ミステリー小説をはじめとして、様々な本に関するベストテンが発表されている。私は、毎年歴史時代小説ベストテンに関するアンケートが届くので、年間を通して歴史小説に注視しているが、今年もたくさん収穫があった。そ […]
2019年11月18日 / 最終更新日時 : 2019年11月18日 編集長 今月の一冊 『ひみつのしつもん』 『ひみつのしつもん』は、翻訳家・岸本佐知子さんが筑摩書房のPR誌「ちくま」で、実に18年にわたって連載しているエッセイ「ねにもつタイプ」をまとめたものだ。2007年に出た『ねにもつタイプ』、2012年の『なんらかの事情』 […]
2019年10月21日 / 最終更新日時 : 2019年10月21日 編集長 今月の一冊 『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』 『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』ーーまずタイトルがいい(「博物館」や「鳥」というワードがタイトルにあるノンフィクションは面白いものが多いのだ)。しかも訳者は『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』や『アートで見る医療の […]