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贈答利用の多い「紀州の梅干」の通販をCTI機能で効率化

温暖な南紀州の自然に育まれた南高梅を使った梅干は、全国的に知られた名産品のひとつです。

丸惣食品株式会社様は、有機栽培にこだわった製法で作る梅干や、梅をベースとして開発された梅ドレッシングや梅ポン酢などの商品、その他、紀州の特産品を全国のお客様に直接お届けするために、製造元である有限会社丸惣様から独立、通信販売部門として設立されました。
地元の素材・食材にこだわる同社では、観光客に、梅干だけでなく他の郷土料理を堪能していただくため、お食事処「郷土料理 紀州熊野本陣」と直売店「豊旬食材 おいで」も経営されています。紀州熊野本陣では、和歌山の郷土料理をはじめ、梅を使った創作メニューを気軽に楽しむことが出来ます。

丸惣食品様の主力商品は、女松葉のエキスを抽出してじっくり漬け込んだ“女松梅干”。はちみつ入りや塩分控えめのものなど、梅干だけでも多数のラインナップを揃えられており、個人の好みに合わせて選ぶことができます。

梅をベースとしたオリジナル商品も、モンドセレクション銀賞を受賞した梅の実入りのチョコレートやデザート梅などユニークなものが多く、自社開発商品の数は、他の多くの梅干取扱い企業の中でもトップクラスを誇ります。

システム導入のきっかけ

電話による注文がほとんどの同社では、それまで使用していたオフコンでは実現できなかったCTIソフトを導入により、住所などの入力ミスをなくして全国のお客様への間違いなく商品をお届けするという目的を大前提とし、お客様の管理と販売データの管理をできるパッケージソフト導入を検討されました。

ただし、単なるデータ管理だけではなく、過去の販売データから容易に販促活動が出来ること、電話注文をより効率的に処理できること、といったいくつかの条件をクリアしたBIG通販Pro CTIをご導入いただきました。

「通販ソフトはいくらでもあります。機能もどこも同じような感じでしょう。しかし、イリイさんの強みである“CTI”や、他の通販会社への多くの成功事例からノウハウを吸収し、当社でも使いながら学んでゆきたいと考えました。」と代表取締役専務 芝様は語ります。

導入に至ったポイントとして、通販ソフトの機能はもとより、導入検討に際する打ち合わせにおいて、担当営業がなるべく専門用語を使わず、実際に業務を担う担当者の方や社長にもわかりやすい説明を心がける姿勢や、他の通販企業ではこうしている、といったノウハウを伝授しながらのご提案が受け入れられたことを挙げられています。

業務の流れ

通信販売に特化する同社では、全国の個人顧客に商品を販売しています。受注方法は、カタログを送ったお客様から、電話やFAX、封書などでご注文をいただくことがほとんどだそうです。お話を聞いているあいだ中、途切れることなく注文専用フリーダイヤルの電話が鳴り、様子をうかがっていました。

オペレータの方が電話に出ると、CTI受付画面から受注伝票に画面が切り替わり、画面にお客様名が表示されます。表示された氏名など必要項目を確認し、前回履歴を確認しつつ、実にスムースにそのまま受注処理へと進んでおられました。

この、電話がかかってきたお客様の情報が、受注伝票の必要項目にセットされる、という単純なことが、通話中のオペレータの方にとっては、電話に集中することができ、入力の手間を省きミスなく処理できるということでたいへん便利だとのことでした。

カスタマイズによる伝票印字の効率化

受注入力が完了すると、お客様のご要望の宅配会社を選択、宅配便の送り状と、納品書・銀行コンビニの振込み用紙・工場への出荷指示書の3つが同シートに印字されるカスタマイズ伝票が同時に印字されます。

通常、宅配会社によって送り状の形式が異なるため、お客様の依頼を受けて送り状をプリンタに都度セットしなければなりませんが、丸惣食品様では宅配会社の数だけプリンタを用意し、使い分けをされています。一見贅沢にも見える光景ですが、4~5種類の用紙を注文ごとに付け替える手間と、お客様に少しでも早く商品を出荷できるメリットを考えると、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

1年に2回改定されるカタログを送る際や新製品の発売時、キャンペーンなどのご案内にDMを発送される同社では、顧客検索機能もよく使用する機能の一つです。

例えば、昨年同時期にギフトのご注文を頂いた方には、前回の送り先を予め印字した予約注文書を発送したり、対象商品をご購入頂いたことのあるお客様を抽出したりと、ターゲットを絞る事のできる顧客検索の柔軟度の高さもご評価をいただいています。

システム導入効果

業務担当者様にお伺いした導入効果としては、入力の手間がなくなったこと、電算システムの入金データでの一括入金消しこみ、欲しいデータをすぐに引き出すことのできる顧客検索機能といった、“処理速度が上がった”ことが一番の効果のようです。

その他、CTIの効果として、取りきれなかった通話はログに残された電話番号から、折り返しの電話をすることが出来るようになり、取りこぼしがなくなったことを挙げられています。

今後の展望

通信販売という、顔を合わせたことのないお客様に商品を提供するにあたり一番大切なことは”信頼関係”と考える同社では、現在、プライバシーマークの取得に向け取り組み中とのことです。

また、芝専務からは新たにBIG通販Proに追加して欲しい機能として、「商品のサイクル管理」という課題をいただきました。

商品ごとに消費サイクルを登録しておき、お客様ごとに消費パターン(人数など)を登録して、そのお客様に最適なタイミングで商品の販売促進をしたいというのが社長の要望です。

多くの企業へ足を運び、打ち合わせを重ねる中で、その企業独自のカスタマイズと思っていた処理が、実は他の企業でも同じ機能を望んでいたということも少なくありません。そういった場合、その機能は通販業界におけるスタンダードな機能ということになり、パッケージソフトに搭載すれば別の会社に新たな提案が可能です。

今回頂いた課題についても十分調査し検討する必要がありますが、今後もソフトをご導入頂いたお客様に定期的にヒアリングをしながら、多くのお客様にご活用いただけるパッケージソフトへと成長させるための商品開発をしていきたいと考えています。