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博多から全国へ-贈答利用の多いうどんの通販に「BIG通販Pro」を活用

九州、博多には、明太子、とんこつラーメン、もつ鍋といった実に様々な名産品がありますが、実はうどん発祥の地であるとも言われています。鎌倉時代、アジアの玄関口であった九州に、“小麦粉を練る“という文化が伝わり、後にうどんが生まれて全国に広まったという説もあるそうです。

そんなグルメの町、博多で独占製造される「能古うどん」は、「古式切り麦」という製法で作られる博多の名産品。

厳選された赤穂の塩や軟水を用いた独特な麺は、一般的なうどんよりも細麺で、見た目は稲庭うどんや冷麦といった印象を受けます。しかし、食してみると細麺とは思えぬほどのコシの強さと、さっぱりとしたのどごしに驚かされます。タレは、九州の醤油を使った甘口で、蕎麦よりも淡白な麺と、よく合います。
福岡市民に愛される能古うどんは、株式会社セキワ物産(有限会社能古うどん)様の営む福岡市内の直営店と大型ショッピングモールにある店舗で楽しめる他、直営店内の売店や、通信販売でも購入することができます。通販で購入できる麺は、保存性・流通性に優れた半生麺になっており、店舗に訪れたお客様のお土産として、また贈答品として親しまれています。

また、もうひとつ力を入れているのが、博多の特産物である辛子明太子。「博多せきわの明太子」というブランドで、タレにワインや独自の調味料を使用するなど、特に品質にこだわり、多くの競合の中で個性を発揮しています。明太子も、直営店の他、九州地区5つの空港売店などで購入できます。

システム導入の決め手は”自由度”と”スピード”

以前から通販という形態で商品をご提供されていた同社では、販売管理システムをオーダーで設計してご利用されていました。導入から数年が経過し、PCの老朽化に伴いソフトのメンテナンスも検討しましたが、最新OSへの対応の他、機能ごとのレベルアップを要望どおりに全て対応するにはコストと時間がかかるという問題が生じました。

また、昨今では当たり前となってきている決済代行や宅配システムといった外部ソフトとの連携にも制限があり、その自由性の乏しさを実感しつつありました。

「導入当初は、自社の業務に沿ったシステムを構築でき、それで満足でした。しかし、それがオーダーシステム導入のメリットだった反面、我々が正しいと信じている業務ノウハウが、果たして他社ではどうなのか、それが分からないわけです。これではとても閉鎖的で、デメリットにもなり得ると考えたのです。」と常務取締役 石橋様は語ります。

取扱商品や業態の違いはあれど、“物を売って、代金を回収する”という基本の部分は他の企業でも変わることがなく、パッケージソフトであれば、数ある企業のスタンダードが反映されたシステムであると考えた同社では、見聞を広げるためにも、自由度の高いパッケージソフトであるBIG通販ProとBIG顧客管理Proへの入れ替えというご選択をいただきました。

多くの販売管理パッケージが存在する中、数社に絞ってシステムの優位性・自社へのフィット感などを研究された結果、当社にも資料請求を頂きました。

そして、すぐに販売店様がアプローチ。「正直、どこのパッケージソフトも機能に関しては似たような印象を受けました。イリイさんも、カタログが郵送されてきておしまいだったら導入までは至らなかったと思います。」と、石橋様は語ります。販売店様からの素早い対応が勝因となったようです。

システム導入後の変化

さて、パッケージソフトへの入れ替えに踏み切った同社ですが、これまで培ってきた同社のノウハウ部分、パッケージソフトに則しきれない部分は譲らずにカスタマイズを施し、どこの企業でも変わらない基本部分である標準機能は受け入れる、という風にうまく使い分けられているようです。 結果、これまでの業務を大きく変えることもなく、スムーズな移行が出来たそうです。

一方で、システム入れ替えを機に改善したい点も挙げられています。一つ目に、伝票入力のタイミング。これまでは、システムを使いながらも、受注、発注、出荷、入金について、受注担当者は最初に手書きで伝票を起こし、出荷部門に回し、のちにPCへの入力というルーチンだったそうです。

しかしこれでは、伝票入力までの間にタイムラグが生じ、むこう1週間分の売上予測に基づいた製造ボリュームのコントロールなどが難しかったのです。

「手書き伝票を全て廃止してPCに任せるのは、正しい受注処理を行う上でも不可能。まずはメモを取って、すぐにPCに入力し、データを活用したい」とお考えのようです。

2つ目は、お客様への情報提供など、顧客データの活用です。これまであまり熱心な宣伝活動は行わず、お客様からの口コミで商品が広まったようです。そこで、“口コミ”という最良のメディアを活かすために、ご購入いただき、同社商品のファンになって頂いたお客様への効率的な情報提供をお考えです。

「システム入れ替えを検討するきっかけとなった、ひとつのクエスチョンがありました。ソフトウェアというのは、蓄積されたデータありきのはずですから、例えばこんな条件でお客様を検索したいとか、こんな集計がしたいという要望は叶えられるはずだと考えていました。しかし、以前のシステムはあまり自由度がなく、できるはずのことを実現するのが難しかったのです。BIGシリーズはパッケージソフトですから、そのへんの自由度が高く、これからどんな切り口で分析をしていこうか、試行錯誤しているところです。」と石橋様。

うどんと明太子という2本柱でご商売されている同社ですが、明太子のみご購入のお客様、うどんのみのお客様が当然いらっしゃいます。その双方がどのくらいの比率なのかを調べたり、うどんのみご購入のお客様に明太子をお勧めするDMを出したりと、これまで出来なかったデータ活用の夢は無限に広がります。

パッケージソフトの自由度の高さのひとつに、帳票レイアウトのカスタマイズも挙げられています。通常の納品書や請求書、予約注文書といったお客様の目に触れる伝票を自社独自のレイアウトに作り変えることができます。

ギフト利用の多い同社でも、贈答時期になると予約注文書を送付します。特に年配の方からは、うろ覚えだった住所などの情報や前回の贈答履歴を容易に確認することが出来る、と好評のようです。

今後の展望

販売管理システムであるBIG通販Proを最大限に使うには、まずは顧客を増やすことが前提にあるとお考えの同社。それには、BIG通販Proでは管理しきれないお客様のより詳細な情報を充実させ、今まで活用しきれていなかった購入履歴やお客様の嗜好、特性に合わせた販促活動を行いたいと語ります。顧客の囲い込みに有効となる、ポイントシステムの導入もご検討中のようです。

どのような情報を集めて、いかにして売上の貢献につなげるか。まずは、成功パターンを作り上げる。それが、導入から半年経過した現在の課題であり、顧客の囲い込みと売上向上という展望をかなえるためのキーポイントのようです。