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”お客様の声”をコールセンターで一元化

「ろうきん」の愛称で地元に根付き親しまれている静岡県労働金庫様は、労働者や労働組合などがお互いを助け合うために出資し、昭和28年に設立した協同組織の金融機関です。業務内容や取扱商品は一般の銀行と変わらないものの、営利を目的とせず公平かつ民主的に運営するという基本姿勢が、一般銀行との大きな違いとなっています。

金融業界では日々新しいサービスがスタートし、お客様からのご相談やお問い合わせも増加の一途をたどっています。静岡労金様のお客様相談室には、預金やローンに関する相談や取扱い商品についての問い合わせ、ご要望など、年間2万件ほどお客様からの声が寄せられます。

「お客様からの電話は、我々金庫サイドではなくお客様が何を欲しているかを知ることができます。そして、事象が起きてから解決するのではなく、事象を起こさないための対策を施すためには、お客様相談室に寄せられる電話の1本1本が非常に重要な役割を持つと考えています。」と、お客様相談室長 斉藤様は語ります。

お客様サポート向上のためのコールセンター構築

それまで、お問い合わせやご相談内容は手書きの“フリーダイヤル受付票”をExcelでまとめ、紙ベースで管理していました。お問い合わせやご相談、ご要望を承るだけであれば、電話さえあれば可能です。しかし、“お客様の声”を一元化して分析し、今後のサポートに活用するのであれば、システム構築が必須となります。そして、“お客様の声”を活用すべく、コールセンターシステム導入を検討されました。コールセンターの発足の背景には、“お客様サポート向上” という大きな目的がありました。そして、その目的をクリアするために、いくつかの要件定義をしてシステム選定に着手されました。

「システム選定には、3つの要件がありました。まず、汎用性があるシステムであること、アフターケアに期待できること、そして拡張性があることです。」と斉藤様。

労働金庫は、全国に13労働金庫と労働金庫連合会がありますが、その経営はそれぞれ独立しており、本格的なコールセンター運営に関してもあまり具体例がないそうです。モデルケースのないコールセンター構築には、ノウハウ不足といった問題や、はじめから大規模なコールセンター構築となると設備投資のリスクなど様々なデメリットが予測されました。

そこで、パッケージソフトでありながらカスタマイズが可能で、自社が挙げる課題を解決できること、初期導入時にはなるべくリスクを回避した最小構成で導入し、後にクライアント追加といった形で拡張できるという点が評価され、BIG顧客管理Pro CTIでのコールセンター構築が採用されました。

お客様の声を一元化

導入は2006年2月。最小構成でありながら、お客様との会話をそのままの形で残せる通話録音機能や情報共有のためのしくみなど、自社の希望を反映させたシステムでのコールセンター運用が開始しました。

新商品発売開始時など、多い日には1日200件ほどフリーダイヤルでの電話が寄せられます。CTIの基本となるデータベースには、基幹システムから顧客データを取り込み、電話番号をキーにお客様の基本情報をモニタに表示します。オペレータは、内容をメモしながら、台帳に地域、相談内容分類、相談内容の詳細、対応内容、営業店への連絡事項などを入力。お客様からの声は、一台帳として蓄積されます。

BIG顧客管理Pro CTI導入のメリットとして、お客様の声の分析について挙げられています。
これまでのExcelベースでは難しかった地域別、年代別といった区分別の分析が様々な角度から行えるご評価をいただいています。

今後の展望

お客様相談室長 斉藤様

こうして、お客様の声の一元化と、システム化による電話応対業務の簡素化を実現した静岡労金様ですが、今後は更なる業務効率化とお客様サポート向上の両立できるしくみをご検討のようです。

まず、FAQシステムの導入。最小限の人的リソースでのコールセンター運用には、ノウハウの蓄積と活用が必要となります。そこで、CTIシステムと連携するFAQシステムの選定をされているようです。

そして、“総合コールセンター”へのステップアップも挙げられています。現在は、27支店6ローンセンターにも度々寄せられるお問い合わせを集中化することにより、営業店での問い合わせ応対業務を軽減させ、営業力強化につながる体制を整えたいとお考えのようです。

我々システムをご提案する立場からすると、ご導入企業の利便性や効率性ばかりを訴求しがちです。

しかし、静岡労金様のように、システム統合による自社の業務効率化はもとより、“お客様の声は聞くだけではだめ。活かすためにあるもの”というお客様第一主義という姿勢が、これからのコールセンター運営の基礎になるべきだ、と改めて考えさせられました。