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CRMと通販システムで顧客サービスを更に強化

福岡県筑紫野市にある原田という町は、菜種油の日本一の原産地といわれています。

その原田で開業された筑前たなか油屋様は、さかのぼること100年前、江戸時代の旅人たちに灯明油を提供するということが原点で、その生業が始まりました。

現在では、自家製純正なたね油や、原材料にこだわりの黒胡麻を使った極上ごま油など、食用を中心とした商品群で地元の方たちに親しまれています。

地元で取れる良質の油を使い、大量生産では真似できない、質の高い商品を全国のお客様へお届けすることを目指して活動されています。

 

時代の流れとともに商品群も様変わりし、いろいろなバリエーションが増えました。

最近では、基本の商品である上質な油をベースとしたドレッシングが人気です。こだわりの商品をラインナップとして揃える全国の大手百貨店や、高級食材を取り扱うスーパーマーケットの一部でも購入できます。

 

通信販売事業への参入

食用の油をメインプロダクトとして営業展開をされてきた同社ですが、今から約18年前に、アトピーの子供にも安心して食べさせられる上質な油を使ったドレッシングが欲しい、というお客様からの声がひとつのきっかけとなり、ドレッシングを開発されました。

それまでは主に卸売り中心でしたが、お客様を意識した商品開発に取り組み、結果として全国に流通しやすいドレッシングが誕生。そのドレッシングを、より多くのお客様にご提供したいという思いから、新たな販売施策として、全国展開の通信販売事業への参入が始まりました。

最初は、百貨店などで催される地域物産展に積極的に参加して、ブランドプロモーションを展開されました。

そこでご購入いただいたお客様からの電話による注文が増え、徐々に通信販売による全国の顧客を獲得、小売事業は軌道に乗ったのです。

導入のきっかけ

通信販売という販売手法が現代のように確立されていなかった当初、システムの販売に携わっていた同社の営業部長 梶原様はこう振り返ります。「通販事業を始めた当初、通信販売という特殊な入金形態に合わせたパッケージソフトはほとんどありませんでした。そのために、カスタムメイドでのシステム構築を余儀なくされました。」

カスタムメイドのシステムで問題なく業務をされてきた同社ですが、システムの老朽化や、コンビニ決済や増加する宅配サービスなどの新サービスに対応するため、システム入れ替えを検討。現在では通信販売という業態に対応した販売管理パッケージは数多く存在する中、パッケージの安全性、カスタマイズが可能、 ECサイトとの受注の一元化、顧客管理の充実という4つのポイントから、BIG通販Proをご採用いただきました。

一件ずつ丁寧な出荷処理

注文は、電話・FAXと自社サイトのECがメイン。通販カタログや、お取り寄せの専門書籍に取り上げられた記事に興味を持ったお客様や、物産展でご購入頂いたことをきっかけに、リピーターになって頂いた全国のお客様から注文が寄せられます。

受注処理は5名で受け付け、一件ずつ丁寧に、納品書と出荷指示書、送り状をセットにして工場に出荷依頼をします。

商品は、単品から人気のセットまで、様々なバリエーションで購入できます。特に人気なのは、“組み合わせ自由のドレッシングギフトセット”だそうです。

自宅需要はもちろん、ギフトとしての利用も多いとのことで、贈答用には前回送付先や注文内容の印字された予約注文書を、予めお客様に送付されています。

導入効果

導入効果として、上記のような帳票の自由度についても挙げられています。ギフト注文書のほか、納品書・出荷依頼書に関しても独自のメッセージを印刷したりと、自社で自由に設計できるとご好評を頂いています。

システムの入れ替えにより、これまで郵便振込みだけだった決済方法にも、昨今お客様からの需要の高かったコンビニ、クレジット決済が追加され、お客様の利便性も良くなりました。

入金に関しても、これまで郵便振込み結果から一件ずつ手作業で行っていた消しこみ処理が、電算システムとの連携により入金データを一括取り込みできるようになり、格段に楽になったそうです。

お客様との対話を大切に、より良いサービスの提供を目指す

自社の業務効率化はもとより、同社では顧客満足度を向上させるべく、CRM(顧客情報管理)に最も力を入れられており、BIG通販Proでは管理しきれないお客様の詳細情報はBIG顧客管理Proで設計し、ご利用いただいています。

セキュリティに気を使いながら、どのようなきっかけでお客様になられたかもしっかり管理。「通信販売という、顔が見えないおつきあいだからこそ、お客様との対話を大切にしています。電話による注文には特に、お客様とのこれまでのおつきあいを画面で再確認するようにしています。システムを前面に出さずにヒューマニズムを残すことが非常に重要であり、システムはあくまでお客様との対話を手助けするツールに過ぎないと考えています。」と梶原様は語ります。

営業部長 梶原様

筑前たなか油屋様の店舗では、昔ながらの座売りの販売スタイルをとられており、お客様とゆっくり対話しながら、商品を販売している姿を見ることができます。相手の見えない通信販売にその姿を変えても、お客様との良いおつきあいが目に浮かびます。

昨年10月より新たに追加された、良質の茶油を原料とした化粧品のラインナップも、お客様の多様化するニーズに合わせた形で誕生しました。

今後も、お客様との関係を大切にしながら、購買金額に応じたポイント制度やお客様の住所や嗜好に合わせたDMといったアフターフォローを続け、更なるサービス向上を目指す、とのことです。