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老舗の漢方を全国へ-受注センターにてBIG通販Proを利用

“漢方は手が届きにくい”というイメージが定着していたのは昔の話。

最近では、医療機関でも漢方を用いた治療が積極的に行われたり、ジェネリック薬品での取り扱いなど、漢方がより身近な存在になりつつあります。

明治38年創業の大杉製薬様は、創業当時から漢方一筋。関西圏では、昔からテレビやラジオのコマーシャルで広く宣伝され、“オースギの漢方”として親しまれるブランドです。

特に有名なのが、ちくのう症の漢方、「モリ」ちくのう錠。以前は、煎じ薬だった漢方処方エキスを飲みやすい糖衣錠に開発し、漢方が苦手な人も安心して服用できるようになっています。
他にも、ぜんそく、神経痛、冷え症など、症状に合わせた漢方薬や健康食品を商品に持ち、お年寄りから若者まで、多くの方たちの強い味方になっています。

薬局・薬店への卸売りを中心に事業を担ってきた同社ですが、昭和48年に小売事業にも参入。

本社のある大阪の天王寺に直売の店舗をオープンしました。同時に、通信販売での提供も始め、同社を有名にしたTV、ラジオを中心に、雑誌や新聞広告などあらゆるメディアを使って広くプロモーションをしてきたそうです。

オフコンからPCへ

プロモーションの甲斐もあり、通販事業は無事軌道に乗って約15年前にオフコンで通販システムをオーダー。このシステムは、当時から通販という業態で商品を提供していた同社のノウハウを、システム構築会社とともにシステム化した素晴らしいシステムでした。しかし、オフコンの老朽化や、時代の変化とともに変わりつつあった決済方法や税額計算などの問題が発生し、システム入れ替えを検討し始めたのです。

「当時は、オフコンシステムをそのままPCシステムに入れ替える、という選択肢もありました。しかし、全て一からやり直しということになるため、莫大な費用がかかると言われました。」(課長 塩野様)

そこで、オーダーシステムによる入れ替えと、データ活用の自由度があり、自社独自のカスタマイズにも対応できるパッケージソフトでのご導入も選択肢に加え、新たなシステムの選定をされました。

大杉製薬様では、業務の流れが明確に決められており、その流れに沿ったシステム構築をされていたため、パッケージソフトでは実現できない部分も多々ありました。しかし、最終的に、カスタマイズで対応できるところ、出来ないところも含めてBIG通販Proをご導入いただきました。

お客様第一主義の受注センター

そして、長年活躍したオフコンから大切な顧客情報 約10万件を全てPCに移行、受注センターにて、BIG通販Proでの運用が始まりました。

全国の新聞やラジオで広く宣伝活動を行う同社では、関西圏に限らず、全国にお客様からご注文やご相談の電話を受け付けています。

同社の特色は、初回から購入頂くのではなく、まずはサンプルを使って頂くというスタイルを取られている点です。新聞や雑誌の広告を見たお客様は、自分の欲しい商品のサンプルを請求します。サンプルの請求は、電話、FAX、はがきで寄せられます。はがきには、お客様の情報に加え、広告媒体の種類も必ず記載して頂き、広告の効果測定をされています。電話でのサンプル請求時にも同様に、確認しています。

サンプル注文時には、サンプル顧客として顧客マスタに登録、0円で伝票を計上し、サンプルとカタログを送付します。その後、10日ほど経過した後に、サンプルを出荷したお客様を検索し、電話やはがきで販促活動を行います。

新しいシステムにして、まず効果を挙げたのはCTI機能。オペレータの毛利様は、「商品の特性上、昔からのお客様、ご年配のお客様の多い当社では、電話着信と同時にお客様の住所や氏名、前回ご購入頂いた商品などが瞬時にわかるのがとても助かります。

また、前回のご入金をまだ頂いていないお客様が新規のご注文の電話を頂いた際にも、赤字で警告がでますので、ひとこと付け加えることもできます。」と語ります。

今までは、過去の情報を探すのも電話番号や氏名で検索する必要がありましたが、現在ではお客様が名乗るより前に情報がわかり、作業効率が上がったそうです。

また、サンプル請求のお客様に関しては、以前も同じ商品のサンプル請求があった、という情報もわかるため、二重サンプル請求を防ぐことも可能となりました。漢方というリピート率の高い商品を取り扱う同社のCTIヒット率は約9割と、とても高い数字となっており、オペレータの皆様からご好評をいただいている機能の一つです。

次に現場での導入効果として挙げられたのが入金処理。これまでは、入金情報から一件ずつ手作業で行っていた入金消しこみ処理が、電算システムとの連携によりデータの一括取り込みで済むようになり、相当な時間短縮となったそうです。

「この機能があるから劇的に、と具体的に挙げられるのはCTIによるお客様確認の時間短縮、入金処理等ですが、全体的に作業効率が上がったせいか、サンプル出荷までの時間が大幅に短縮され、サンプル出荷や受注件数もここ数ヶ月間で上がったように思えます。」と、オペレータの毛利様は語ります。

日常的な出荷処理に加え、同社が力を入れられているのはいわゆるCRM部分です。サンプル請求のお客様への販促活動のみならず、定期的にご購入頂いているお客様、サンプル請求以降ご購入履歴のないお客様から無作為に、同社が発刊している“漢方新聞”を送付し、健康に関する情報をご提供されています。

また、はがきでのサンプル請求やご注文の際に、ご質問を書き添えられていたお客様には、情報入力時にチェックしておき、後から必ず相談応対専門のオペレータから折り返しご連絡されているそうです。商品を売るためではありますが、お客様の健康を第一に考えられている同社の姿勢がうかがわれます。

今後の展望

「オフコンで行っていた業務を100%パッケージソフトで実現するのは、なかなか難しいですね。」多くのカスタマイズ要望を叶えるために何度も打ち合わせを繰り返し、約1年の準備期間を費やして本稼動が始まった現在のご感想です。

「独自の方法で行っていた消費税計算や、財務資料の形式に多少の物足りなさは感じています。しかし、新たに導入したシステムは、以前のシステムよりもデータの汎用性があります。まず、この新システムを最大限に活用し、少しでも多くの売上につなげ、より多くのお客様の健康に貢献するのが現在の展望です。」と塩野様は語ります。

受注センターでの実稼動からもうすぐ、8ヶ月。リードタイム短縮、作業効率アップによる売上増加の結果が現れるのはもう間もなくです。

同社の望む結果が得られているのか、当社としてもトライ&エラーを繰り返しながら見守ってゆきたいと思います。