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気仙沼産のふかひれをBIG通販Proで全国にお届け

海産物で有名な宮城県気仙沼で、全国の食通に向けて“ふかひれ”を通信販売で提供する石渡商店様の創業は昭和32年。現在では高級食材として日本でも広く知られるふかひれですが、創業当時はまだ国内の一般家庭での需要は少なく、中華料理屋への卸売りと中国への輸出がメインでした。

中国からきたというイメージの強いふかひれは、実は日本からの輸出品として重要な役割を担っていました。中国では、江戸時代よりずっと前から食べられていましたが、鮫の乱獲により捕り尽くされ、輸入に頼らざるを得ない状況に陥ります。

そして、俵物三品と呼ばれたふかひれを含む海産物は、対中貿易での重要輸出品と定められ、江戸幕府統制のもとで輸出されました。
戦後、神奈川で食品の分析を生業としていた先代社長が、当時の日本では中華料理屋での消費がほとんどだったふかひれの調理法を近隣の中華街でじっくり研究。
手間のかかるふかひれの加工にビジネスチャンスを感じられ、鮫の漁獲高が日本一と言われる気仙沼でのビジネスが始まりました。
創業からまもなく、オイルショックの煽りを受け、中国をはじめとしたアジアへの輸出が振るわなくなりました。そして、内需拡大の影響から、国内での販売に力を注入することになったのです。

通販の始まり

当時から、日本では贅沢品であったふかひれは高級料理として食べることがほとんどで、一般家庭で調理するのは難しいとされていました。そこで、石渡商店様では、家庭でもプロの味を手軽に楽しめるように工夫され、卸売りだけでなく一般消費者への小売が始まりました。
一般小売を始めるにあたり、まずは新規顧客獲得のDM作戦に打って出ます。ただし、ふかひれ自体を知らない人に、やみくもに宣伝しても意味がありません。そこで、中華料理店などでふかひれを食した経験があると思われる国内の富裕層に向け、毎月5万枚の往復はがきを2年間送り続けたのです。DM作戦の結果はすぐに現れます。毎月、5万枚の往復はがきの3%ほどの返信がありました。

「ふかひれが有名な気仙沼ですので、当然競合は多いです。しかし、飲食店への卸売りがメインでしたから、通信販売という意味での競合はありませんでした。」と、石渡社長は当時を振り返ります。2年間続けた5万枚のDM作戦で新規顧客を徐々に獲得した同社では、その後も地道な営業活動とメディア掲載による口コミで顧客を増やし続け、通販事業を始めて20年間で固定客を1万人確保することに成功しました。

オフコンからPCへ

一般消費者へのはがきによる通信販売という販売経路を開拓した20年前から、すでに販売管理システムを導入されていた同社。当時にしては画期的だったであろうシステムも、時代の変化とともに必要な機能も様変わりします。そして、自社の業態に合わせたオーダーメイドのオフコンに切り替えましたが、日々生まれるコンビニ決済などの新しいサービスに、その都度対応せざるを得ない状況でした。マシンも古くなり、とうとう対応しきれなくなり、バージョンアップで常に最新の機能を利用できるパッケージソフト、BIG通販Proをご導入いただきました。

BIG for CTIとBIG通販Pro

普段から積極的なプロモーションは特にしていないという同社は、“きっかけ”があると急激に受注が増えるそうです。そのきっかけとは、メディアへの掲載です。
「テレビの力は偉大。一度、全国区のグルメ番組に当社のふかひれが紹介された時には、1万円のセットがトータルで2000セット売れたこともあります。」(石渡社長)
その注文のほとんどは、電話で寄せられます。オフコンで管理していた1万件のデータをBIG顧客管理Pro CTIに移行し、お客様の情報とそれまでの購入履歴を管理しています。既に登録のあるお客様の場合、電話がかかってすぐにお客様を特定できることや、“前回注文した商品”といったあいまいな表現でも画面を見れば誰でも把握できる、とCTIの導入効果について語ります。

その他、販売管理業務はBIG通販Proをご利用いただいています。BIG通販Proのクライアントは全部で4台。事務所と社長室にそれぞれ設置されています。CTIで注文を受けた事務スタッフの方が受注伝票を入力し、当日の売上状況は社長室で情報共有されています。

贈答が多い同社の商品は、お中元・お歳暮のギフトシーズンにも注文が増加します。ギフトシーズン前には、前回ご利用頂いた実績から予約注文書を作成し、お客様に予め送付。お客様は新規の贈答先の追加と今回の商品を記入いただくだけで簡単に注文書が作成できるようになっており、記入の手間を省略することでリピートオーダーにもつながっているようです。

インターネット通販に力を注入

通販を始めて20年。認知度も確実に上がり、安定した固定客を持つ石渡商店様ですが、今でも通販を展開し始めた当初と同じ、往復はがきによるお知らせを年間2回ほど送付されているそうです。このような定期的なご挨拶は、売る側・買う側のつながりを維持するのに重要な要素で、お客様離れを防ぐ有効な手段になっているようです。

一方で、新規顧客獲得のため、最近のお客様のニーズに合わせてECサイトにも力を入れている同社。自社サイト、大手ショッピングモールのECサイトの反応も上々です。

「電話だけでなく、様々なお客様の生活スタイルに合わせて間口を広げてあげることも重要です。」と、社長のご子息である若き戦力、石渡取締役は語ります。
ECサイトの管理、SEOなど全てを任された石渡取締役は、他社のショッピングモールでの成功事例を元に、積極的に戦略を立案されています

代表取締役 石渡 正師様

現在のところ、電話による注文が圧倒的に多い同社ですが、自社ECサイトへのアフィリエイトの導入、ショッピングモールの本格的なプロモーションなど、ECサイトを充実させて新規顧客を獲得するのが石渡取締役の目標のようです。

商売よりも研究が好きだと笑う石渡社長。現在、捨てる部位がないと言われる鮫を使った新しい商品開発に着手しています。これまで数十年ふかひれだけでビジネスを営んできた同社は、これまでの“食品”という軸からぶれないよう、鮫を使った健康食品の開発を大学と共同で進められているそうです。

システムも安定稼動し、時代に合った商品もラインナップに投入することで今後の更なる活躍が期待されます。昔からのお得意様への定期的なアプローチと、インターネットによる新規顧客獲得の両立を目指し、今後も親子二人三脚で発展されていくことでしょう。