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卸売り専用の販売管理から通販に特化したBIG通販Proへ入れ替え

札幌市にあるあい然様は、北海道の名産品をはじめとした全国各地のおいしい野菜や果物を通信販売などでご提供されています。

前職で農家の方々と知り合う機会があったという社長の東様。過去に知り合った農家の方々が丹精をこめて作った野菜や果物の他、おいしいものや珍しいものを見つけるとすぐに飛んでゆき、社長が自分の目で確かめて是非紹介したいと思った商品ばかりを取り揃えています。

「たまたまアルバイトで入った会社で、そういう機会に恵まれました。営業や接客業の経験のなかった自分が、まさかこのような仕事を始めるなんて思ってもみませんでした。単純においしいものや珍しいものが好きだっただけなんですよね。」と笑います。

市内にある店舗では、地元北海道のお客様向けに和歌山のみかんや青森のりんごなど旬のものを、インターネットショッピングでは北海道のじゃがいもやたまねぎなどを全国のお客様に提供されています。

お中元、お歳暮といったギフトだけでなく、ちょっとした季節のご挨拶に毎年決まったところに地元のおいしいじゃがいもなどを送る習慣があるという北海道。厳選されたあい然の取扱い商品は、贈答用の需要も多いそうです。

あい然オリジナル商品を展開

一方で、どれだけ良い商品でも仕入れて売るというだけでは数多ある通販業者と差別化できないと考え、あい然様オリジナル商品も展開されています。

そもそも、あい然様の設立のきっかけとなったのがこの“オリジナル商品の展開”でした。

ある農園のハスカップを気に入り、当時勤められていた会社にハスカップを使った加工商品を提案するも、製造コストや在庫リスクなどの問題により実現には至りませんでした。 それならば、独立して自分の作りたい商品を作ろう、と起業を決意されたそうです。

そして東社長の惚れ込んだハスカップを加工業者に持ち込み、無添加で上質なジャムやシロップといったオリジナル商品が完成したのです。

もともと店舗を持たず、通信販売とホテルや朝市などでの卸しから始まった同社ですが、ホテル等でオリジナル商品を購入したお客様から“どこに行ったら買えるのか?”というお問い合わせを頂くようになり、店舗を構えられたそうです。

一切の妥協をせず、社長の思いを込めて作り上げたオリジナル商品は確実にお客様の心をとらえ、リピートオーダーの多い人気商品となりました。そして、オリジナル商品を2度、3度とリピートオーダーを頂き、お客様とのパイプが太くなるにつれ、東社長の選んだ商品ならおいしいに違いないと別の商品も購入してくださるようになるのだといいます。

独立後、大幅な伸びはないものの前年を下回ることなく順調に業績を伸ばし続けられているという同社。景気に左右されることなく、良い業績を保つ背景には、あい然様の商品を気に入ってくれている、ファンのお客様の存在が大きいのではないかと東社長は語ります。

卸売り専用の販売管理から通販に特化したBIG通販Proへ入れ替え

設立当初は、通信販売という販売形態からはじめた同社。

当時からお客様の管理や売上管理を重要視し、販売管理システムを導入されたそうです。しかし、導入したシステムは卸売り専用のもので、お得意先の締日にあわせて請求書を発行し、入金や売上の管理をする、という概念のものでした。そして導入間もなく、いくつかの課題が持ち上がります。

「販売管理システムとしては、機能はたくさんありすぎるくらいのものでした。データを細かく入力すれば、分析、統計等には優れていましたが、そこまでの必要性はなかったんです。弊社が求めたのは、もっと日常業務に必要な機能でした。
売上が増えるにつれ、通信販売には不可欠な宅配便の送り状が発行できない、請求書を発行するのにお客様ごとにいちいち締め処理をして1件ずつ発行しなければいけない、といった不都合が結構ありました。」と東社長。

他にも、通販業に欠かせない贈答対応(納品先管理)や個人別の購入履歴、決済機能(クレジット、コンビニ・郵便振込)などの不足から、通信販売業務に特化して開発されたBIG通販Proへ入れ替えをされました。

旧システムとの並行稼動1ヶ月を経て本稼動へ

BIG通販Proは、1ヶ月間の旧システムとの並行稼動を経て、2010年の1月から本稼動されました。

数回の操作指導のみ、特に大きなトラブルもなく、スムーズに導入されたようです。

「当社では複数の宅配便業者を利用しており、数種類の送り状に対応しています。前システムでは、送り状印刷機能が標準で搭載されていなかったため、開発会社に一帳票ずつ依頼して設計してもらう必要がありました。業務上必要だった送り状を印刷できるまでに一年以上かかったことを考えると、前システムよりは順調に使い始めることが出来たと思います。」と東社長。

BIG通販Proの導入効果

通販専用システムへの入れ替えによる導入効果として、大きく三点を挙げられています。

一点目は、通販業務に即した様々な帳票類が印刷できること。
前述の送り状に関しては複数フォームに対応できただけでなく、頻繁に行われる各社のレイアウト変更も自社で対応できるようになり、以前はフォーム変更毎に発生していた設計変更費用が不要になりました。

他には、卸売り専用システムでは出力できなかった郵便局やコンビニの払い込み用紙が印刷できることも挙げられています。

また、課題として挙げられていた納品単位での請求書の発行も、1件ずつ締め処理を行わず簡単に出力できるようになったとのことです。

二点目は、卸売り業務と通販業務の両対応です。
あい然様では、通信販売のほかにも、ホテルや市場等への卸売りもされています。
商流は、ホテルや市場に商品サンプルを陳列し、お客様は現場で決済。卸先からの発注を受け、あい然様からお客様へ商品を発送する、という流れになります。

それまで使用していた卸売り専用のシステムでは、商品の送り先と請求先の異なる合算請求という機能がなく、商品発送時、お客様用に送り状、ホテルには期間内の注文を合算して請求書を出力する、という二重入力をされていたそうです。

BIG通販Proには、贈答という機能もありますが、卸先で購入されたお客様が次回以降に直接あい然様にご注文頂くケースも少なくないため、お客様の情報も顧客台帳として登録。請求先を卸先にする合算請求機能を活用されています。

これにより、二重入力の手間を省くことに加え、今まで管理出来ていなかったどこのホテル、市場で購入したお客様かという情報まで管理できるようになりました。

三点目は販促機能です。
BIG通販Proには、“一定の期間内に該当商品を購入されたお客様”、“東京都在住の50代のお客様”など条件を設定し、抽出する“顧客検索機能”を搭載しています。

あい然様では、旬の食材を取り扱われているため、購入履歴より以前同じ商品をご注文頂いたお客様を対象に定期的にご案内をされています。各種ご案内DMの発送に、BIG通販Proで検索結果をFAX送信リストとしてエクスポートしたり、郵送のための宛名ラベルを印字したりして活用されています。

今後の目標

代表取締役 東様

BIG通販Proの導入から約一年が経過した現在、次の目標は年間実績の統計と分析だそうです。

「設立当時にシステムを導入した際は、知識がなかったので先のことを考えずに商品コードをつけてしまったんです。

実際にシステムを使っていく上で、コード付けが適切でなかったために欲しい集計表が出ない、ということがわかりました。

BIG通販Proへ入れ替える時には、そういったことも考慮した商品コードに変更しました。

一年間でデータもたまりましたので、年間実績からどの商品が最も売れたのかを分析し、それを元にして次年度の主力商品を見極め、カタログ制作などの販促計画を立てたいと考えています。」と東社長は語ります。

あい然様では、大手ショッピングモールへの出店を取りやめ、自社のECサイトのみでの通販に踏み切られたそうです。大手のブランド力を失うことに不安もあったそうですが、あい然様の商品力を信じ、自社サイトの運営とリスティング広告に切り替えたところ売上は10倍くらいに増加したそうです。

自らがお店を持つなんて思ってもみなかった、という東社長。これまでのさまざまな経営判断が奏功し、順調に事業展開を続けられています。

今後も、おいしいものが大好きな東社長が“これだ!”と思った商品を全国のお客様に安定してお届けできるよう、BIG通販Proが日々の業務効率化と経営分析をサポートできれば、と願っています。