保険会社と代理店が協力し合い顧客サービス向上を目指す ~ 富士火災海上保険 代理店業務支援システム F-COMMにCTI機能を追加 ~
株式会社 24時間 様
- システム概要
- F-COMM連携型CTIシステム
- 所在地
- 北海道札幌市白石区菊水本町6条3丁目6-46
- 金融・証券・保険業
札幌市内、黄色い社屋が目を引く株式会社 24時間様は、富士火災海上保険、アリコジャパン、あいおいニッセイ同和損保など、生保、損保の両方を取り扱う保険総合代理店です。
“保険の仕事は天職”と断言する社長の伊藤様を、3名の営業マンと事務スタッフの皆様が支えます。
現在は保険代理店として事業を展開される同社ですが、もともとは自動車の買取、中古車販売業としてスタートされました。すぐに事業は軌道に乗り、順調に安定した業績を上げられたといいます。
しかし、車を買い取って売る、という単純なビジネスモデルに限界を感じた伊藤社長。
兼務していた保険代理業務の成績が同業他社に比べて勝っていたこと、“保険”という商品に将来性を感じたことから、中古車の買取、販売事業から撤退し、保険代理店として再スタートするという決断をされたそうです。
そして平成10年、保険代理店“株式会社 24時間”を創業。
このインパクトのある社名は自動車買取の会社設立時につけた名前だそうです。その由来は、言葉通りの“自動車買取の24時間営業”でした。
「会社名っていうのは、覚えてもらうことが大切だと思うんです。覚えやすい名前でしょ(笑)。自動車販売時には、“24時間営業してますよ”という意味を込めていたのですが、保険オンリーに切り替えた時から、“24時間見守っていますよ”という思いで、そのまま24時間という名前を残しました。」と伊藤社長。
富士火災海上保険の保険代理店業務支援システム F-COMMの誕生
同社の取扱損保商品の中で、売上比率の大きなウェイトを占めるのが富士火災海上保険の商品だそうです。
富士火災海上保険が年間の実績に応じて顧客対応力、業務遂行力、販売力などを総合的に評価する「VICTORY代理店認定制度」に創業以来11年連続(11年連続認定は全国で2店舗のみ)で認定され、富士火災海上保険の優良代理店として揺るぎのない地位を確立されました。
富士火災海上保険では、代理店における見積書作成等の保険業務やお客様情報の管理業務等を総合的に支援する”F-COMM”という保険代理店向けのオンラインシステムを平成17年に開発。全国の代理店で採用されています。その”F-COMM”開発のきっかけを作られたのも、24時間様だといいます。
株式会社24時間様では多様な保険を取り扱われており、多くの保険会社のシステムを使用する立場にあります。
その優位性を活かし、他社システムと富士火災海上保険製の旧システムのログインにかかる時間や機能などを徹底的に比較。富士火災海上保険と太いパイプを持つ24時間様は、わかりやすい比較資料を作成して直接提案されたそうです。そして提案は採用され、本格的なオンラインシステムの開発へと導かれたのです。
実際に業務で利用する“代理店目線”で作られたシステムの利便性の高さは、富士火災海上保険主要代理店への“F-COMM”の普及率100%という数字が物語っています。
他業種のサービスにヒントを得てCTIシステム導入を検討
保険代理店システム”F-COMM”の導入により見積書作成などの代理店業務は格段にスムーズになり、次なる業務改善策として”電話業務の効率化”にターゲットを絞ります。
「よく利用する札幌のタクシー会社があるのですが、電話をすると細かいことを言わなくてもすぐに私がどこの誰かを把握してくれて、非常に良い印象を持っていたんです。ピザのデリバリーなんかも同じですよね。この便利なシステムを、保険代理店である当社でもどうにかして導入できないかと思っていました。なぜかというと、これまで電話応対は、ベテラン社員の”勘”に頼っていたからです。
長く勤める社員は古くからのお客様を知っているので、電話に出ても失礼な対応をすることはないのですが、新人やパートでは電話先で名乗られただけですべてを把握するというのは難しい。”F-COMM”の導入により契約内容等の確認は誰でも簡単に出来るようになりましたが、その前の段階の電話着信時にお客様が誰が分かれば、経験を問わず第一関門を軽くクリアできる訳です。
そんなことを常々考えていたところ、東京海上のオンラインシステム”T-Net”とリンクしたBIG CTIコネクターを見る機会があり、これだと思いました。」と伊藤社長。
そして2010年3月、”F-COMM”連携第一号としてBIG CTIコネクターが導入されました。
BIG CTIコネクターの導入効果
BIG CTIコネクターの導入効果について聞いてみました。
「CTIシステムというのは、導入したからといって売上実績に直結するわけではないので、実際に導入して使ってみないと効果は分からないと思います。
BIG CTIコネクターを導入してからの感想として、体感的に“F-COMM”と同様、業務を行う上でなくてはならない存在となっています。」と伊藤社長。
電話着信と同時にお客様名を表示するCTIは、“F-COMM”でお客様情報を検索して表示する、というステップを省略してすぐに会話が始められるため、導入の目的であった電話応対業務のスピードアップを達成されたようです。
また、新バージョンより搭載されたメール機能もご利用頂いており、メール本文に自動で差し込みされるお客様の電話番号から折り返し電話が出来る点が便利だとご評価いただきました。
保険会社と一体となりさらなる顧客サービスの提供を目指す
システム導入の課題と目的がはっきりしていた株式会社 24時間様は、CTIのメリットを存分に活用されているように見受けられます。“電話着信と同時にお客様を特定する”という目的はクリアしたものの、伊藤社長は更なる課題を見出されました。
その課題とは、お客様サービス向上に関わりの深い電話応対をよりレベルアップするため、“F-COMM”の顧客情報データベースを充実させるということ。“F-COMM”開発時にも大きく貢献された伊藤社長は、他社のシステムを参考に、保険情報以外のお客様情報の管理、代理店がフリーで管理できる項目などを追加し、富士火災海上保険と協力して代理店が使いやすいシステムにブラッシュアップしていきたいと意欲的です。
少数精鋭のスタッフが一丸となり、保険会社からも一目を置かれる存在感を放つ株式会社24時間様。事業拡大、スタッフ増員といった今後の予定について、伊藤社長は次のように語ります。
「保険代理店というのは、その地域にあった適度な規模感が必要だと思っているんです。例えば、隠れ家的に流行っていたラーメン屋が、急に店舗をかっこよくリフォームして事業を拡大した途端に流行らなくなった、という話がよくありますよね。 ですから当社としては、私の目の届く範囲でやっていきたいと考えています。
保険会社が当社に望んでいる現在のスタイルを守り続けたいですね。」
本業である保険代理業の他に、取り扱い保険会社の代理店を総括するマネージャーも兼務され、同業他社の人材育成にも携わっている伊藤社長。
現場の意見を受け入れ、働きやすい環境を整える保険会社と、保険会社の理念を基に営業活動を行う代理店。双方の思いは、“お客様のために”という同じ目標に向かっています。伊藤社長がこれまで培ってこられた“顧客対応力”や“販売力”を継承された多くの保険代理店で、顧客サービス向上のためにBIG CTIコネクターが活躍することを願っています。